2021年2月26日から28日に行われたWRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドで、次世代のエースと期待されるトヨタのカッレ・ロバンペラが2位に入賞した。パワーステージではトップタイムをマークしてボーナスポイントも獲得し、2020年にWRCのトップクラスに昇格したばかりの20歳の若武者がドライバーズランキングのトップに立った。

有利とは言えないスタート順から2位でフィニッシュ

新型コロナウイルスの影響を受けて中止されたラリー・スウェーデンの代替イベントとして開催されたアークティック・ラリー・フィンランドは、ラリー・スウェーデンと同様のフルスノーイベント。豊富な積雪によって道の両脇には高い雪壁ができ、低い気温により路面は凍結、スタッドタイヤを装着する特殊なラリーだ。また、新雪が多く積もるとそれが走行抵抗になりタイヤのグリップ力が低下するため、ステージの出走順が早いドライバーは「雪かき役」を担うことになり不利になる可能性もある。

そんなスノーイベントで素晴らしい走りを見せたのが、トヨタのカッレ・ロバンペラだった。ラリーは優位なスタート順となっていたヒュンダイのオイット・タナックが主導権を握ったが、4番手スタートのロバンペラも大健闘。ロバンペラは初日1本目のステージで雪壁にはまりタイムロスしたものの、その後ハイペースで飛ばして初日を3位で終えると、2日目にはベストタイム1回、2番手1回、3番手タイム2回で2位に浮上。最終日にはパワーステージでベストタイムもマークして、2位でフィニッシュした。

優勝したタナックには及ばなかったものの、自身最高位で完走。ドライバーランキングのWRC史上最年少ポイントリーダーとなった。

画像1: 有利とは言えないスタート順から2位でフィニッシュ

カッレ・ロバンペラはラリー終了後、「雪の下から未舗装路が露出しているようなコンディションで強いアンダーステアを感じるなどセットアップが最適でありませんでしたが、それでもいいペースで走れましたし、微調整を加えた結果、好転していきました。初日の最初のステージでのミスやタイヤ選択の失敗などもありましたが、最後まで攻めの走りを続けることができ、2位という結果には満足しています。初めてドライバー選手権をリードする立場となったことを嬉しく思います」とコメントとしている。

カッレ・ロバンペラはフィンランド出身、プジョーやトヨタで活躍した元WRCドライバーのハリ・ロバンペラを父に持つサラブレッドだ。昨年2020年に19歳でWRCのトップクラスに昇格したばかりだが、今年は初優勝、ドライバーズタイトル獲得に期待がかけられてる。

画像2: 有利とは言えないスタート順から2位でフィニッシュ

カッレ・ロバンペラ(Kalle Rovanpera)。2000年10月1日フィンランド生まれ。2015年、14歳でラリーデビュー。2018年にWRCの2クラスにステップアップ。2020年にトヨタのワークスチームに加入し、2戦目のラリー・スウェーデンで3位入賞。2020年の年間ランキング5位。父は元WRCドライバーのハリ・ロバンペラ。

2021 WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランド 結果

1位 O.タナック(ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h41m37.5s
2位 K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC) +17.5s
3位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+19.8s
4位 C.ブリーン(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+52.6s
5位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC) +1m01.5s
6位 勝田貴元(トヨタ ヤリス WRC) +1m37.8s
7位 O.ソルベルグ (ヒュンダイ i20クーペ WRC)+1m39.0s
8位 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC)+2m09.0s
9位 G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+3m39.4s
10位 E.ラッピ(フォルクスワーゲン ポロGTI R5) +6m07.0s

2021 WRC ドライバーランキング(第2戦終了時)

1位 K.ロバンペラ(トヨタ)39
2位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)35
3位 S.オジェ(トヨタ)31
4位 E.エバンス(トヨタ )31
5位 O.タナック(ヒュンダイ)27

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