クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車アルファロメオ ステルヴィオを紹介していこう。さて、今回もMMステルヴィオ号は変わらず快調だ。その余裕ある加速力はやはり独自の持ち味で、高速道路の本線合流時や登坂時など、車速を簡単にグイッと乗せてくれる頼もしさは信頼感に満ちている。(Motor Magazine 2019年11月号より)

クリーンディーゼルエンジン車の多くが採用する尿素SCRシステム

前回、インパネ下部に見慣れないアラートが表示されたことを記した。ステルヴィオを含めて、クリーンディーゼルエンジン車の多くが、排気中の窒素酸化物(NOx=ノックス)を浄化するために尿素SCR(選択的触媒還元)システムを採用している。

エンジンからの排気に尿素水溶水(=DEF/ディーゼルエキゾーストフルード)を還元剤として噴射することで、尿素水溶水がアンモニアガスとなって窒素酸化物を還元。窒素と水に変換させることで、NOxを浄化するというものだ。

前回のアラートは、その尿素水溶水の量が減ったので「補充してね」というもの。その後は、補充までエンジン始動時に写真のようなアラートがメーターパネル中央に表示されることになった。

画像: 下に少しだけ見えているのが、最初に表示された小アラート。その上はエンジン始動時の大アラート。

下に少しだけ見えているのが、最初に表示された小アラート。その上はエンジン始動時の大アラート。

このアラートには、残量によっていくつかの段階があるとのことで、さらに減ってくると走行可能距離が表示されるようになるそうだ。なお、尿素水溶水の残量が0になると、エンジンを始動することができなくなるシステムである。

ちなみに、よく耳にする「アドブルー」は、ドイツ自動車工業会(VDA)による高品位尿素水溶水の登録商標であり、ドイツや日本ではその名称で浸透しているが一般的な表現では「ディーゼルエグゾーストフルード」となる。

さて、このアラートを見たのが初めてのことだったので、表示されてから300kmほど走行した後に補充した。調べると、最初のアラートが出たらDEFを6L以上補充しなさい、ということだったので約6.5Lを補充。無事にアラートは出なくなった。

退屈しないステルヴィオのドライブ

MMステルヴィオ号を走らせていると、いろいろなことを感じる。ステルヴィオは「スポーツカーみたいにハンドリングがクイックだ」と言われる。たしかに、普通のクルマのつもりでハンドルをグッと操作してしまうと、フロントノーズの向きがいきなり変わるような乱暴な動きになりがちだ。

ただこれは、慣れてハンドルの操作をジワリと丁寧に行えるようになれば、急な動きになることもなく、意図したように滑らかに走らせることができるようになる。

実は、こうしたようにクルマと対話しながら運転するということがとても楽しいと感じられるのもステルヴィオのユニークな魅力。退屈しないのだ。クルマの反応を感じ取りながら、思うように走らせることの喜びを満喫している。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)

■第5回/2019年8月24日~9月20日(5カ月目)のデータ
・オドメーター:1万3036km
・走行距離:1765km
・給油量:126.4L
・実燃費:13.9km/L

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