速さは中団グループのトップも、わずかな差で後方にドロップ
角田は予選Q1から早くも不運に襲われた。タイムを出すタイミングでコース上が混雑し、最終シケインでトラフィックが発生。角田はこの渋滞に巻き込まれてタイムを失い、さらにQ1突破の最後のチャンスとなったアタック時にやや膨らんでタイムをロス。わずか0.007秒差で16番手となりQ2進出を逃すことになった。それまでの走行では「Q3進出も狙える」かという速さを見せていただけに、残念な結果となった。
一方、ピエール・ガスリーはQ1最初のアタックで好タイムをマーク。トップ6に入るタイムであっさりとQ1を突破したものの、Q2ではクリアラップをとれず0.016秒差でQ3進出を逃し、12番グリッドから決勝をスタートすることになった。
スペインGPではいつも以上に中団グループのタイムが接近しており、ちょっとしたミスや不運、判断の遅れが大きな順位の差に現れる結果となった。それだけにアルファタウリ・ホンダの順位は悲観的なものではないが、混戦の中に入るとさらなる不運に見舞われる可能性が高くなるだけに、さらに決勝の戦い方が重要となってくる。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「アルファタウリ・ホンダの2台は、これまで以上に接戦となった戦いの中で、ガスリー選手が今年初めてQ3進出を逃して12番手、角田選手はミスもあり16番手となりました。ガスリー選手はタイヤ選択の自由がありますので、レース戦略を含めて、入賞圏内を狙っていけると思っています。角田選手はマシンのバランスにやや苦しんでいる部分もあるようですが、できる限りポジションアップしてフィニッシュしてもらえればと考えています。接戦では小さな差が結果に大きく影響します。持てるポテンシャルを100%発揮することが重要であるのに加えて、ミスは許されません。十分に準備を整えてレースに臨みます」とコメントしている。
スタートの攻防とタイヤ戦略がポイントか
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
「マシンにはQ2に簡単に進出できるだけの速さがあるだけに、うまくグリップさせることができていないことにフラストレーションを感じています。同じセッティングのときでもチームメイトのガスリー選手と僕のマシンに対するフィードバックが大きく違っているので、それがこのマシンの特性なのか、僕たちのドライビングスタイルの違いからきているのかきちんと理解する必要があります。そのうえで、エンジニアとデータをさらに細かく見直してみるつもりです。その部分が理解できれば、このマシンのポテンシャルを最大限引き出すことができるはずです」
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「最終的な結果については本当に残念です。今年Q3進出を逃したのは初めてで、それが0.016秒差というのは言葉もありません。マシンバランスについては満足していますが、グリップに苦しんでいます。各所でスライドして、タイヤをオーバーヒートさせてしまうのですが、このコースではそれが大きな影響になります。開幕当初はもう少し競争力がありましたが、それを忘れてもう一度中団の争いをリードするためにどう挽回すればいいかを理解する必要があります。とはいえ、ポイントが決まるのはレースですし、僕らは12番手からタイヤを選んでスタートできるので、それがレースでのアドバンテージになってくれればと思います」
2021年F1第4戦スペインGP決勝は日本時間5月9日22時(現地15時)に開始される。
2021年F1第4戦スペインGP予選 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:16.741
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:16.777
3位 77 V.ボッタス(メルセデス) 1:16.873
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:17.510
5位 31 E.オコン(アルピーヌ) 1:17.580
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) 1:17.620
7位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)1:17.622
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ) 1:17.701
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) 1:18.010
10位 14 F.アロンソ(アルピーヌ) 1:18.147
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)