ガスリーの追い上げに見るように、マシンには速さがある
角田裕毅は16番グリッドからソフトタイヤでスタート。1周目にポジションをふたつ落としたものの、その後、スタート時の16番手まで戻したが、7周目のターン10で突然マシンがストップ。そのままリタイアとなった。
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
「僕にとっては、フラストレーションのたまるレースウイークでした。スタート時点でペースはかなりよかったので、完走できなかったのはとても残念ですが、自分にコントロールできることではない部分でした。今の段階ではマシンに何が起きたのか分かっていないので、マシンが戻ってきたら調査を進め、エンジニアとともにすべてを見直したいと思います。次のモナコでレースをするのは初めてなので、楽しみにしています。こうした象徴的なサーキットで走るのは、ワクワクします」
一方、チームメイトのピエール・ガスリーにとっても、スペインGPは簡単なレースではなかった。スタート時にグリッドを少し越えた位置にストップしたことで5秒加算のタイムペナルティを受け、18周目にそのペナルティを消化するためのピットインで早めにミディアムタイヤに交換。そこからポイント圏内をうかがう走りを見せた。
ガスリーは、47周目に2度目のピットストップを行い、ソフトタイヤに交換。再びポイント圏外に順位を落としたが、ここから好調なペースで追い上げ、60周目にキミ・ライコネン(アルファロメオ)をパスすると、その次の周にフェルナンド・アロンソをオーバーテイク。さらには、ランス・ストロールを捉えて10位に入賞した。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は複雑な気分です。レースでは追い上げを見せられましたが、最初の2戦と比べてペースは不足している点はフラストレーションがたまります。また、グリッド位置をミスしてしまった自分にも腹が立っています。本当に余計なペナルティで、自分のレースを厳しくしてしまいました。それでも、いいバトルが展開できて、何台かをパスして10位に入れました。マシンポテンシャルがあるのは明らかですが、僕らはそれをラップ中の全コーナーで発揮させることができていません。モナコに向けて懸命に取り組んでいきますし、ここから先の数戦でチームが前進を果たせると信じています」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「16番グリッドからスタートした角田選手にとって、厳しい週末になりました。リタイアは燃料圧力の低下が原因でした。この問題については、早急にチームと一緒に解析を進めていきます。ガスリー選手はスタート時の違反により5秒ペナルティを受けたことが影響し、大きくポジションを落としましたが、力強い走りで終盤にいくつものオーバーテイクを見せ、チームにとって貴重な1ポイントを獲得してくれました。諦めることのない、粘り強い走りで9位も見えていました。次のモナコGPに向けてきっちり準備をしていきます」とコメントしている。
次戦第5戦モナコGPは5月20日木曜日に開幕、23日日曜日、モンテカルロの市街地サーキットで決勝レースが開催される。
2021年F1第4戦スペインGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)66周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+15.841s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+26.610s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+54.616s
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+63.671s
6位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+73.768s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+74.670s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1周
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+1周
10位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+1周
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リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 L.ハミルトン(メルセデス) 94
2位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 80
3位 V.ボッタス(メルセデス) 47
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 41
5位 C.ルクレール(フェラーリ) 40
6位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)32
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10位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)8
13位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ) 2
2021年コンストラクターズランキング(第4戦終了時)
1位 メルセデス 141
2位 レッドブル・ホンダ 112
3位 マクラーレン・メルセデス 65
4位 フェラーリ 60
5位 アルピーヌ・ルノー 15
6位 アルファタウリ・ホンダ 10