毎年、挑戦的な新作をリリースし続けるOZ。2021年のラインアップにも、注目作が目白押しだ。今回はその中から、空気の流れを操ることで走行性能まで高めてしまおうというスーパーツーリズモの新シリーズを中心に、紹介したいと思う。(Motor Magazine2021年6月号より)

新コンセプトの「アエロフラップ」は早くも発展を見せている

イタリア発のホイールブランドOZが、2021年1月、創業50周年を迎えた。この間、OZはレース&ラリーで数え切れぬタイトルを手にし、ウイニングホイールの名を冠するに至る。そこで得たノウハウは市販品にも活かされ、デザインや構造に革新をもたらして来た。

そんなOZが次なるステージを目指した画期的なモデル、「スーパーツーリズモ アエロ HLT」をリリースした。デザインはスーパーツーリズモならではの15本マルチスポークで、センターロック風に仕立てられたブラックのセントラルロックカバーが付く(外してオープンタイプとすることも可能)。縦断面で強度を確保した細身のスポークはリムエンドまできっちり伸ばされ、OZらしさを主張している。ちなみにスーパーツーリズモシリーズとしては、第4世代にあたる。

驚きは、スポークの内側、リムからわずかに離れた箇所に周回するリングが備わることだ。これは「アエロフラップシステム」と呼ばれる世界初のホイール用空力パーツで、クルマの空力特性を効果的に引き出し、かつブレーキのクーリング性能も向上させる。そう、ホイールがエアロパーツの機能も兼ねているのだ。イタリア語読みで「アエロ」(英語ではエアロ)を名乗るゆえんがここにある。OZはこの技術で、世界特許を取得した。

アエロフラップの発想は、F1用ホイールに始まる。2013年からレッドブルのホイールにこのシステムが採用されているのだ。OZはF1のみならず、インディ、フォーミュラE、WRCなどの幅広いジャンルでデータ収集を行ってきた。レース用のアエロフラップはマグネシウム鍛造ホイールと一体構造だが、市販にあたっては軽量の樹脂製パーツを内側から固定する方法を採っている。

画像: OZ スーパーツーリズモ アエロ HLT:「アエロ」というネーミングの由来となっているのが、個性的な樹脂製フィン。HLT(ハイライトテクノロジー)フローフォーミング技術を採用し、鋳造ながら鍛造並みの軽さと強度を実現、優れたハンドリングをもたらしている。F1のセンターロック風カバーが付属。新色のスターグラファイトはシックな印象だ。 価格:8万2500円~12万3200円●サイズ:18/19×8.0J、19×8.5J、19×9.0J、20×8.5J

OZ スーパーツーリズモ アエロ HLT:「アエロ」というネーミングの由来となっているのが、個性的な樹脂製フィン。HLT(ハイライトテクノロジー)フローフォーミング技術を採用し、鋳造ながら鍛造並みの軽さと強度を実現、優れたハンドリングをもたらしている。F1のセンターロック風カバーが付属。新色のスターグラファイトはシックな印象だ。
価格:8万2500円~12万3200円●サイズ:18/19×8.0J、19×8.5J、19×9.0J、20×8.5J

さらにこのアエロフラップは今後、デザイン的な広がりが予見されている。たとえば近々発売される予定なのが、「スーパーツーリズモ アエロ-e」だ。こちらはセンターもアエロキャップとし、マルチスポークの内側をスリットを入れながらフルにカバーしている。BEV専用モデルとしてデザインされており、表面のディンプル加工などによって未来感を醸し出す。ラインアップには19、 20インチが用意されるという。

OZの若者向けスポーツブランド、スパルコのニューモデル「レコード」も見逃せない。デザインはまるで手裏剣のような直線基調のダブル5本スポーク。そのスポークは彫りを多用して立体感を演出し、かつリムエンドまでしっかり伸ばすこと(左右に小さな凹みを設けていて芸が細かい)でひと回り大きく見せている。サイズは17、18、19インチと身近で、カラーも渋めのグロスブラックとマットグラファイトを用意する。スポーツハッチ系を中心に人気となりそうだ。

他にスーパーツーリズモ エヴォルツィオーネにホワイト仕様が追加されるなど、2021年もOZは話題が尽きない。(文:河原良雄/写真:永元秀和)

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