2021年5月20日、スバルは新型ヘリコプターの「SUBARU BELL(スバル ベル)412EPX」を警察庁へ納入した。これは、スバル ベル 412EPXとしては初めてカスタマーに納入されたものだ。

スバルが米国メーカーと共同開発した最新型機

クルマ好きやメカ好きの読者諸氏ならご存知のとおり、スバルは自動車製造はもちろん、そのルーツである「中島飛行機」の技術とスピリットを航空宇宙カンパニー部門が受け継ぎ、旅客機の部品やヘリコプターの開発および製造なども行っている。

今回、警察庁に納入された「スバル ベル 412EPX」は、2019年6月に警察庁から初受注を獲得したもので、2021年3月に納入予定だったが新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、少し遅れたようだ。同機は、スバルの宇都宮製作所にて操縦および整備の訓練等を行った後、岩手県警察で使用される予定だ。

画像: テスト飛行中のスバル ベル 412EPX(写真はイメージです)。

テスト飛行中のスバル ベル 412EPX(写真はイメージです)。

スバル ベル 412EPXは、スバルが米国のベル・テキストロン社と共同開発を行った412シリーズの最新型機だ。過酷な運航条件の下でも高い信頼性を誇り、警察、消防、防災などの用途を中心に世界各国での展開を見込んでいる。また、陸上自衛隊では新多用途ヘリコプター「UH-2」を開発する際の共通プラットフォームとして、このスバル ベル 412EPXを採用しており、現在も開発が進んでいる。

スバル ベル 412EPXは、412シリーズのパフォーマンスと安全性を向上させ、これまでも民間機市場で高い評価を得ていた実用性と信頼性を維持しつつ、より多くの機能を提供する。新たな特徴としては、より頑丈なメインローターギアボックス、ドライラン(オイル切れでも飛行可能)機能の追加、最大全備重量(機内搭載時)の増加(1万2200ポンド=5534kg)、マストトルク11%向上(速度60ノット以下)、などがあげられる。

そして、機外懸吊時の最大重量を他機種に類を見ない1万3000ポンド=5897kgに向上させたことで、オペレーターは一度により多くの物資を輸送することが可能となり、運航効率を向上させることができる。

画像: ベル・テキストロン社が開発した統合型グラス コクピットを採用している。

ベル・テキストロン社が開発した統合型グラス コクピットを採用している。

■スバル ベル 412EPX 主要諸元

●全長:17.1m(胴体長:13.1m)
●全高:4.6m
●ローター直径:14m
●空虚重量:3091kg
●乗員+乗客数:1+14名
●キャビン容積:6.2立方メートル
●燃料タンク容量:1251L
●最大速度:259km/h
●最大巡航速度:228km/h
●航続距離:669km
●最大飛行時間:3.8時間

スバルでは、今後このスバル ベル 412EPXの製造および販売に加え、部品の供給や定期整備などのアフターサポートを行っていく。

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