「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ iQ 130G→(ゴー)だ。

6速MTのシフトフィールも小気味いい

画像: エンジンのパワースペックは従来モデルの1.3Lと変わりはない。なお、130G→にはCVT(165万円)も設定されている。

エンジンのパワースペックは従来モデルの1.3Lと変わりはない。なお、130G→にはCVT(165万円)も設定されている。

まずはイグニッションをONにして、6速MTを駆って走り出す。・・・と、これがなかなか面白い! ハンドリングは素直で、iQの美点である元々の高速安定性はそのままに、自分の体を中心にしてクルマがクルッと回るような、少し不思議だけれど気持ちいい、独特の感覚を味わうことができる。そう、まるで超コンパクトサイズのミッドシップ スポーツカーに乗っているような気にさせてくれる。

6速MTのシフトフィールもショートストロークでなかなか小気味いいもの。これでもっとパワフルなエンジンを搭載したら、ジャジャ馬的なモデルにはなるだろうけれど、GAZOOレーシングなら作れるかもしれないな・・・なんて夢まで膨らんでしまう。まさに名前のとおり「どこまでもゴー!」といった感じの楽しいクルマだ。

ただし、少し残念だったのはシートのつくり。シート前端の圧が高いので、体重の軽い人や小柄な女性では、シートを上げるとペダルに足が届きにくく、逆に下げると前が見づらくなる。もっともiQ発売当初はシートリフターが付いておらず、これに比べれば良くはなっているのだが、もうひと工夫が欲しいところだ。

さて、このiQ 130G→も今どきのスモールカーゆえ、当然ながら燃費の向上が図られている。マッチングのいいアイドリングストップシステムを装着し、10・15モード燃費で23.5km/Lを達成している。見た目も走りもユニーク、しかもエコなスモールカー。一度乗ってみる価値は大いにあるといえるだろう。

画像: 130G→は専用リアディフューザーを装着。さらに、リアブレーキはドラム式ではなくディスクを採用している。

130G→は専用リアディフューザーを装着。さらに、リアブレーキはドラム式ではなくディスクを採用している。

■トヨタ iQ 130G→「レザーパッケージ」 主要諸元

●全長×全幅×全高:3000×1680×1500mm
●ホイールベース:2000mm
●車両重量:950kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1329cc
●最高出力:69kW<94ps>/6000rpm
●最大トルク:118Nm<12.0kgm>/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:23.5km/L
●タイヤ:175/60R16
●当時の車両価格(税込):173万円

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