留まることを知らないクルマの電動化の波。それにともない、内燃機関主流の時代では馴染みのなかったクルマ用語が、これまた次から次へと登場してきている。そんな中「ちょっと乗り遅れたかもしれない」と不安を感じたあなたのために、ベーシックな電動化モデル関連用語の解説を10回に分けてお届けする。連載最終回は、「充電にかかる電気代」についてだ。千里の道も一歩から!なのである。

普通充電が割安。急速充電も各種サービスプランを用意

BEVやPHEVの充電にかかる電気料金は、普通充電と急速充電で異なる。普通充電の場合は、家庭での充電ということで、電力量に応じた額となる。ちなみに家庭用の電気料金は、基本料金+電力量料金となっていて、1kWhごとの料金はわかりづらいが、だいたい1kWhで20~30円が目安となる。たとえば日産リーフの62kWhで、60kWhを自宅で充電すれば1200~1800円となる。

リーフの航続距離はWLTCモードで458kmなので、満充電に1800円かかったとすれば、1km走るのに約4円という計算になる。1Lあたり120円のガソリンで、15km/Lの燃費性能のエンジン車を計算してみれば、1km走るのに8円。1kmの費用4円をガソリン車で実現しようとすると、30km/Lの性能が必要となる計算だ。

急速充電にかかる費用は、どのサービスプランを利用するかによって違ってくる。全国約1万3000か所の充電設備を管理する、「e-Mobility Power」の非会員利用の急速充電の利用料金は、最初の5分が275円で、その後、1分ごとに55円。最長30分なので、275円+55円×25分=1650円となる。

画像: 充電費用はBEVにとって重要な課題だ。ホンダは英国で、再生可能エネルギーの活用と充電コストの低減を両立するEV向けエネルギーマネジメントサービス「e:PROGRESS(イー プログレス)」の提供を開始している。(ホンダe)

充電費用はBEVにとって重要な課題だ。ホンダは英国で、再生可能エネルギーの活用と充電コストの低減を両立するEV向けエネルギーマネジメントサービス「e:PROGRESS(イー プログレス)」の提供を開始している。(ホンダe)

また、日産が用意する日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3のうちの都度課金制「シンプル」の場合、月額基本料金が550円で、急速充電が10分ごとに550円。つまり、30分の急速充電では1650円となる。

30分で、どれだけの電力量を充電できるのかは、車両や充電設備によって異なるが、仮に62kWhの電池容量の日産リーフが30分で80%を充電できたとすれば、充電できた電力量は49.6kWhとなる。1650円で49.6kWhの充電であれば、1kWh当たりの価格は約33.3円だ。1kWhあたり20~30円の普通充電より、若干、高めということになる。

ちなみに日産をはじめ、各自動車メーカーや「e-Mobility Power」などでは、割安になる料金プランを数多く用意している。自分の利用実態にマッチするプランを利用すれば、充電にかける費用を安く抑えることは可能だ。(文:鈴木ケンイチ)

This article is a sponsored article by
''.