予選トップ3は3強のチーム対決に
アゼルバイジャンGPの予選は、アクシデントが多発し、そのたびにセッションが中断となる難しい状況となった。こうなると、各ドライバーは早めにタイムを出しておく必要があり、またその中でも長いストレートがあるためトウ(スリップストリーム)を狙えるタイミングを伺いあう展開となる。
Q3ではまず最初のアタックでルクレールがハミルトンのトウをうまく使ってトップに浮上、2番手にチームメイトのボッタスの2秒後方でトウを得たハミルトン、3番手にペレスのトウをもらったフェルスタッペンがつけた。
まずタイムを出した上位陣は、残り時間わずかのタイミングでポールポジションを賭けて最後のアタックに入ったが、ここで角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がターン3でクラッシュ。赤旗が掲示され、予選はこのまま終了、最後の戦いに水を差す形となってしまった。結局、予選はルクレール、ハミルトン、フェルスタッペンの順のまま。ペレスは最初のアタックでロックして7番手だった。
一方、アルファタウリ・ホンダは好調で、角田はQ2の勝負所でセッション4番手のタイムを叩き出して、ガスリーとともにQ3に進出。Q3ではアルファタウリ・ホンダはアタックのタイミングを他チームとはずらして2台で走行、ガスリーが角田のトウを得る形で4番手、角田が8番手タイムをマークした。
角田にとっては、さらにタイムを削る中での予選最終盤でのクラッシュはいただけないが、そこまでは見事な走りだった。
なお、予選6番手のランド・ノリス(マクラーレン)に3グリッド降格ペナルティ(赤旗提示中のピットイン無視)が科されたため、決勝レースではペレスが6番グリッド、角田が7番グリッドからのスタートとなる。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、予選について「すべてのセッションでクラッシュによる赤旗中断が発生するという難しい状況での戦いになりました。その中で、今季初めてホンダのパワーユニットを搭載する4台がQ3に進出できたことはよかったと思います。ただ、Q3の最後に赤旗によりセッションが終了し、フェルスタッペン選手、ペレス選手、ガスリー選手がタイムを更新できなかったことについてはフラストレーションを感じます。角田選手のクラッシュがその赤旗の原因となったことは残念ですが、初挑戦となるのバクーで初めてのQ3進出を果たすなど、いい走りを見せているので、決勝レースにも期待したいと思います。難しいストリートコースですので、アクシデントなどにより荒れた展開のレースになる可能性がありますが、4台ともにマシンの速さはあります、チームとともにきっちりと完走して、予選ポジションより上でフィニッシュすることを目指して準備を進めます」とコメントしている。
タイヤを供給するピレリは「予選セッションは混乱し、予測不可能な展開になりましたが、早めにクリアラップがとれて、しかもトウが使えたドライバーが有利でした。上位のタイム差はそこが大きかった」と予選を分析。「決勝レースはトップ10のすべてのドライバーがソフト タイヤでスタートすることになりますが、おそらくハードタイヤに交換するワンストップとなるでしょう。スタートのタイヤ選択が自由なそれ以外のドライバーは、ピットストップのタイミングに余裕があるミディアム→ハードがベストな戦略となるでしょう。ただし、予選で見られたようにセーフティカーが導入される可能性は高いので、ソフト→ハードも不利にならないかもしれません。モナコとは異なり、ここではオーバーテイクの可能性が非常に高いので、エキサイティングなレースになるでしょう」と予測している。
第6戦アゼルバイジャンGPの決勝は6月6日日本時間21時(現地時間16時)に開始される。
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP予選 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:41.218
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス) 1:41.450
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:41.563
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) 1:41.565
5位 55 C.サインツ(フェラーリ) 1:41.576
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:41.747
7位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ) 1:41.917
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ) 1:42.211
9位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)1:42.327
10位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:42.659
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP決勝スターティンググリッド
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)
6位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)
7位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
8位 14 F.アロンソ (アルピーヌ・ルノー)
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)
10位 77 V.ボッタス(メルセデス)