実車をミリ単位で完璧に採寸して、デザインを忠実に再現
2019年のフランクフルト モーターショーで発表されたランボルギーニ初のハイブリッド スペシャルモデル、「シアン FKP37」。その車名は「閃光」や「稲妻」を意味するボローニャ地方の方言と、このクルマのお披露目直前に亡くなったフォルクスワーゲングループの元総帥、フェルディナンド・カール・ピエヒのイニシャル、そして彼が生まれた1937年にちなんでいる。
2020年、LEGO テクニックからランボルギーニ シアン FKP37(以下、シアン)の1/8スケールモデルが発売されたが、今回、アウトモビリ・ランボルギーニとLEGO グループは実物大レプリカの製作を企画した。LEGO グループでは以前にブガッティ シロンの実物大モデルを製作したが、今回はシアンで実物大モデルを製作したというわけだ。
使用するLEGO ブロックは、このプロジェクトのために特別に成型された20種を含む154種。40万ピースを超えるLEGO テクニックのブロックを使用して総重量2200kg!のレプリカモデルは、シアンの寸法をミリ(mm)単位で完璧に採寸し、強烈な個性を持ったそのデザインを細部に至るまで忠実に再現している。
両社のコラボレーションは、デザイナー、エンジニア、テクニシャンの15名から成るチームが開発と綿密な組立作業に8660時間も費やして実現した。そのサイズは、シアンの実物と同じ長さ4980×幅2101×高さ1133mm。ボディパネルは、ランボルギーニのデザイン言語の欠かせない一部である六角形へのオマージュを表し、六角形にかたどられたLEGO テクニックの専用パーツが複雑に結合する構成だ。
LEGO グループのエキスパートたちは、ボローニャ地方の方言で「閃光」「稲妻」を意味するシアンの名前の由来にも敬意を表し、LEGO テクニックのブロックのみで組み立てられたライトとボディに沿って流れる稲妻のデザインに、実物のY字型ヘッドライトと六角形のテールライトが点灯、消灯する様子を反映させた。
コクピット内も、ランボルギーニのエンブレムとイタリア国旗をあしらったステアリングホイール、ダッシュボードのコントロール、レーシングシートがLEGO ブロックで細部まで再現されている。
さらに今回、LEGO グループでは大型モデルでは初のペイントブラシ効果のUVカラー塗料を施している。LEGO テクニックの1/8スケールモデルと全く同じ色の塗装は、アウトモビリ・ランボルギーニのペイントショップで行われた。
LEGO グループとしては初のバーチャルアンヴェールでは、仮想空間に設けられたLEGOのワークショップに実物大モデルが再現され、ランボルギーニのエンスージアストやLEGO ファンはフルスケールバージョンを間近で見ることができる。さらに、1/8スケールモデルの運転席に座ると、当日アンヴェールされるフルスケールバージョンに変わる。仮想空間で運転席に座ったまま、この実物大モデルを生み出したアウトモビリ・ランボルギーニとLEGO グループのデザイナーたちの話を聞くことができるのだ。