2021年6月10日、トヨタ自動車はランドクルーザー200をフルモデルチェンジし、最新型となるランドクルーザー300の中東仕様をオンラインで世界初披露した。新型は劇的な進化を遂げたというが、ここではランドクルーザー300を従来のランドクルーザー200と徹底比較してみよう。

まだ明らかにされていない部分も多い、新型のランドクルーザー300

ランクル300のボディスペックの詳細は公開されていないが、ボディサイズはランクル200とほぼ同一とのことで、全長4950×全幅1980x全高1900mm程度と予想される。ホイールベースは80シリーズ以来不変の2850mmとのこと。ステーションワゴン型のランドクルーザーには、ベストなバランスだという。アプローチアングルとデパーチャーアングルもランクル200から大きな変化なく、アプローチアングル32度、デパーチャーアングル25度が確保されている。

車両重量は200kgの軽量化に成功し、ランクル200で2500kg前後であったことから、新型は2300kg程度と考えられる。200kgの軽量化はパフォーマンスの向上だけでなく、自動車重量税の負担減も意味する。

フレーム同様大きく進化したのがパワートレーンだ。新ランクル300ではエンジンを従来のガソリン仕様4.6L V型8気筒から、ガソリン仕様が3.5L/ディーゼルが3.3Lで、ともV型6気筒ツインターボへとダウンサイジングした。2気筒分エンジン全長を短縮し、小排気量になった。

ガソリン仕様の最高出力は305kW(415ps)/5000rpm、最大トルクが650Nm/1600-3200rpmをハ発生(発生回転数は発表会動画のグラフから読んだため、おおよその数値)。ディーゼル仕様は227kW(309ps)/4600rpm、最大トルク700Nm/1500-3000rpm(同)だ。組合せられるトランスミッションは10速ATで、従来の6速ATより多段化し、二酸化炭素排出量を10%削減することを目指すとのことだ。

現段階で正式に公表されていないが、ハイブリッドパワートレーンも追加で発表される可能性も考えられる。もしこれが存在するならエコカーに認定され、現在の自動車重量税制下では、購入時と初回の継続車検時は自動車重量税免除。2度目の継続車検時に減免されるなど、燃料代も含めてランニングコストの大幅な低減につながるはずだ。

画像: 画像はランクル300に新搭載となるV6ツインターボディーゼルエンジン。309ps/700Nmを発揮する高性能ディーゼルだ。

画像はランクル300に新搭載となるV6ツインターボディーゼルエンジン。309ps/700Nmを発揮する高性能ディーゼルだ。

サスペンションについて、詳細はまだ明らかにされていないが、現時点で公表されているのはリアサスペンションのジオメトリーの最適化だ。従来のランクル200では、ショックアブソーバーがタイヤのストローク方向とズレた「ハの字型」に配置され、リアの挙動の不安定さに繋がっていた。新型ではショックアブソーバーをタイヤストロークの方向と同一に配置し、リアの挙動の乱れを抑え、乗りやすく、そして疲れにくいクルマに仕上げたという。

ランクル200で採用されていたKDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)も大きく進化した。従来は油圧制御されいたのだが、ランクル300では電子制御のE-KDSS(エレクトロニック・キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)となった。

画像: ランクル300のトヨタ・セーフティー・センスは最新型にアップデートされる。昼夜の歩行者、昼のサイクリスト、交差点の対向車と対向歩行者対応がより高次元に引き上げられた。

ランクル300のトヨタ・セーフティー・センスは最新型にアップデートされる。昼夜の歩行者、昼のサイクリスト、交差点の対向車と対向歩行者対応がより高次元に引き上げられた。

先進安全機能はランクル200時代から「トヨタ・セーフティー・センス」を採用していたが、ランクル300ではプリクラッシュセーフティに歩行者(昼夜)とサイクリスト(昼)の検出機能、交差点での対向車と対向歩行者の検知機能、緊急ステアリング機能が追加された最新版にアップデートされる。またパーキングサポートもアップデートされ、駐車場内の車両前後の障害物や、後退時の車両への接近、歩行者の認識によるブレーキ機能付きとなった。

ランクル200は標準的なグレードのみの展開だったが、新型ランクル300のグレードにはついに待望のGR SPORTが追加される。中東仕様での話だが、日本市場での導入も期待できる。

なおトヨタ系ディーラーからの情報によれば、日本仕様の詳細情報は2021年7月中に販売店へ届き、8月中に販売(予約?)も開始される見込みだという。詳細なスケジュールは不明だが、新型ランドクルーザー300の日本登場まで、そう遠くはなさそうだ。(文:猪俣義久)

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