ノーマルの足まわりのヤワな感じは一切ない
もっとも、それは中身がしっかりしているからに他ならない。チューニングの手法は、マーチだからという手抜きは一切ない。インパルの方程式どおり、吸排気とスロットル、そしてコンピュータをチューンし、フットワーク系はオーリンズ ベースのオリジナルと、ブレンボのキャリパー(フロントのみ)で武装している。これにより、見かけ倒しではない、独自性を持ったモデルとして完成している。
さて、走ってみるとキビキビ感はノーマルとは比べ物にならない。コンパクトなボディを活かしつつ、コーナーを次々にクリアしていく感覚は、やはりマーチでしか得られないものだ。クルマにとって、軽さは命であることを痛感する。もちろん、その軽さもあって乗り味は重厚ではないが、乗り心地はあくまでスポーツ路線といった感じだ。ノーマルの「足グルマ」的な感 は完全に払拭されている。
パワーユニットは出力アップなどの大きな性能の向上はないが、スロットルに対する追従性や爽快なエキゾーストノートが得られるようになっている。アイドリングストップから復帰するときの「ブォン」という排気音も、なかなか小気味良くて楽しい。
ホシノインパルでは、今回のオートサロンでかなりの反響が得られたために、今後もパーツ開発を続けていく。より一層走りを楽しめるインパル マーチの登場に期待したいところだ。
■日産 マーチ 12G(ベース車両) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3780×1665×1515mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:960kg
●エンジン種類:直3 DOHC
●排気量:1198cc
●最高出力:58kW<79ps>/6000rpm
●最大トルク:106Nm<10.8kgm>/4400rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:26.0km/L
●タイヤ:165/70R14
●当時の車両価格(税込):146万8950円