フェイスリフトで「鉄仮面」登場。より硬派なイメージを獲得する。
2000ターボRSが登場したことによって、名実ともにハイパフォーマンスカーのトップに躍り出たDR30スカイライン。1983年8月には大胆なフェイスリフトが行われた。いわゆる「鉄仮面」となり、さらにファンの心をつかんだ。新たに上級車2000ターボRS-Xが設定されたのもこのときだ。
それぞれ変更点を見ていくと、RSシリーズには、グリルレスのフラッシュサーフェスフード、薄型の専用異形4灯式ヘッドランプ、大型エアダムスカート、フロントホイールアーチ部まで回り込んだ大型バンパーなどを採用した。
同時にリアスタイルも一新されている。伝統の丸型ランプにインナーベース塗色をグリーンメタリックとした新造形のスモークレンズカバーを組み合わせるとともに大型バンパーを採用。スポーティで個性的なリアビューとした。
サイドビューではチッピングプロテクターとシルモールを採用している。2000ターボRS-Xにはブロンズガラスを採用して、豪華さの演出も行っている。
それまでのフェンダーミラーからドアミラーに替わったのもここからだ。電動として操作性の向上を図ったのみならず、現代的にスマートなサイドビューとなった。
このマイナーチェンジでは動力性能などの変更は行われていないがが、もともとのパワーに見合う足回りの変更が行われている。2000ターボRS-X、2000ターボRSには、高いグリップ力とコーナリングパワーを発生する205/60R15 89Hのスチールラジアルタイヤを装着。アルミホイールは新造形のスポークタイプ(6JJ×15)を採用し、トレッドを前後とも10mm拡大(フロント1420mm、リア1410mm)。旋回性能、直進安定性、制動性能の向上を図った。
豪華仕様となる2000ターボRS-Xには、新開発の8ウェイ電動マルチバケットシートを採用した。シートスライド、シートリクライニング、シートリフター、ヘッドレストの上下前後の手動調節機能に加えて、サイドサポート、ランバーサポート、サイサポートを電動式エアマットで調節した。これによってスポーティ走行に最適なドライビングポジションを可能とした。シート地は、黒地に赤のストライプを配したデザインデザインのモケットとしている。
2000ターボRS、2000RSもこのときにホールド性を増した可動式サイドサポート機能付バケットシートに変更した。
2000ターボRS-Xはこのほかに、パワーステアリング、リジューム・アクセラレート機能付きASCD(自動速度制御装置)、ダイバーシティFM受信システム付きの4スピーカーオーディオ、パワーウインドーも装備された。
この2カ月後の10月には、2000RS-Xが追加された。これはFJ20E搭載車にパワー・エコノミー自動切り替え式電子制御OD付きフルロックアップオートマチック・トランスミッションを組み合わせた。高性能車をMTではなく、気軽にATで乗りたいというニーズに応えたという背景もあるのだろう。これには2000ターボRS-X同様の豪華装備も採用された。
日産 スカイライン2000RS 2ドアハードトップ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4620×1675×1360mm
●ホイールベース:2615mm
●車両重量:1150kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1990cc
●最高出力:150ps/6000rpm
●最大トルク:18.5kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FR
●10モード燃費:10.0km/L
●車両価格:217万6000円(東京)
※1983年8月時点での仕様
日産 スカイライン2000ターボRS-X 2ドアハードトップ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4620×1675×1360mm
●ホイールベース:2615mm
●車両重量:1235kg
●エンジン:直4DOHC+ターボ
●排気量:1990cc
●最高出力:190ps/6400rpm
●最大トルク:23.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FR
●10モード燃費:10.2km/L
●車両価格:269万1000円(東京)
※1983年8月時点での仕様
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