2021年7月30日金曜日、F1第11戦ハンガリーGPがハンガロリンクで開幕する。前戦イギリスGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)が接触。フェルスタッペンはリタイア、ハミルトンが優勝を飾っている。それまでギリギリのクリーンな戦いを繰り広げてきたが、この一件で今後どのような展開になっていくのか。3週間のサマーブレイクを前に、前半戦最後のレースに注目が集まる。

予選に向けて、初日からふたりの動きに注目

衝撃的な接触事故から2週間、再びマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)が相まみえる。メルセデスは大幅なアップデートを実行し、前戦イギリスGPではレッドブル・ホンダと接戦に持ち込む速さを見せつけた。その結末があの接触だった。

ではハンガリーGPではどうなるのか。これまで接戦を演じながらも最後の一線を超えることがなかった戦いにどんな変化が訪れるのか、楽しみでもあり、心配でもある。

ハンガリーGPが行われるハンガロリンクは、前戦イギリスGPのシルバーストンとは大きく特徴の異なるサーキット。約4.4kmの比較的短い全長に14のコーナーが待ち構えるタイトでトリッキーなレイアウトで、空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求される。

路面がバンピーで、路面のμ(ミュー)が高くなく中速コーナーが多いので、サスペンションの動かし方やダウンフォースの使い方も、シルバーストンとは大きく変わってくる。

また、ハンガロリンクはコース幅が狭く、オーバーテイクが難しいことでも知られている。高いダウンフォースレベルという点ではモナコにも似ているが、7月下旬の気温は高く、サーキット全体が円形劇場のような形状で、熱がこもりやすく、クーリングも重要となる。丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすいのも特徴だ。

オーバーテイクが難しいとなると予選順位が重要となるが、短くタイトなレイアウトのためトラフィックが発生しやすく、予選でしばしば波乱が起きる。ただし、予選順位が重要ながら、データを見ると、ポールトゥフィニッシュは約30%と意外と高くない。序盤のポジション争いが重要なポイントで、そのためにできるだけいい予選グリッドを獲得する必要があるということだ。

画像: ハンガリーGPが開催されるハンガロリンク。コース幅が狭く、オーバーテイクが難しいことでも知られている。

ハンガリーGPが開催されるハンガロリンク。コース幅が狭く、オーバーテイクが難しいことでも知られている。

画像: ハンガロリンクのコースレイアウト。約4.4kmの全長に14のコーナーが待ち構えるタイトでトリッキーなレイアウトで、ひとつのコーナーで失敗すると、次のコーナーにいい形で入っていくことができないため、安定したマシンバランスが必要で、すぐに反応するマシンがここではいい結果を生み出す。

ハンガロリンクのコースレイアウト。約4.4kmの全長に14のコーナーが待ち構えるタイトでトリッキーなレイアウトで、ひとつのコーナーで失敗すると、次のコーナーにいい形で入っていくことができないため、安定したマシンバランスが必要で、すぐに反応するマシンがここではいい結果を生み出す。

ホンダにとって相性のいいサーキットで、ホンダとして過去に6勝、第二期の1986〜92年に7戦5勝、2006年にはジェンソン・バトンが第三期初勝利をあげている。

また、レッドブルが得意とする種類のサーキットとも言われているが、このところ成績的には苦戦しており、過去3年はハミルトンが3連勝、レッドブルの優勝は2014年のダニエル・リカルドまで遡らなくてはならない。

昨年はフェルスタッペンがグリッドに向かう途中でウォールへクラッシュし、メカニックがスタートに間に合うよう必死に作業。フェルスタッペンはそれに応え、見事に2位表彰台に立ったが、ハミルトンには敵わなかった。

【参考】2020年F1 第3戦ハンガリーGP 結果

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)70周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) +8.702s
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) +9.452s
4位 18 L.ストロール (レーシングポイント・メルセデス) +57.579s
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) +78.316s
6位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) +1L
7位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス) +1L
8位 3 D.リカルド(ルノー) +1L
9位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) +1L
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) +1L
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12位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +1L
リタイア 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)

画像: 2020年ハンガリーGPの各ドライバーのタイヤ戦略。今年も天候や状況に応じて戦略は大きく変わりそうだ。

2020年ハンガリーGPの各ドライバーのタイヤ戦略。今年も天候や状況に応じて戦略は大きく変わりそうだ。

また一昨年はフェルスタッペンがポールポジションを獲得し、決勝レースではスタートダッシュを決めてそのまま逃げ切ろうかという展開になったが、ハミルトンがまさかの2ストップ戦略で終盤に大逆転を飾っている。

タイヤを供給するピレリは「ハンガリーには昨年と同様、中間の柔らかさの3種類のタイヤコンパウンドを供給します。このサーキットはタイヤに大きな負荷をかけることはなく、特に天候が暖かい場合は、ミディアムタイヤが速さを発揮するはずです。ただタイヤを冷やすための長いストレートがなく、暑い天候では当初の見た目よりもタイヤに厳しくなることもあり、とくにソフトコンパウンドではある程度のマネージメントが必要になる可能性があります。 1986年以来、このサーキットでグランプリが行われているので、チームはこのコースに関する豊富な経験とデータを持っていますが、最良の戦略は必ずしも明白ではありません。それぞれの状況に応じて、異なるアプローチが見られるでしょう」と分析している。

F1第11戦ハンガリーGPは、7月30日金曜日11時30分(日本時間18時30分)からのフリー走行1回目で幕を開ける。予選は7月31日15時(日本時間22時)、決勝は8月1日15時(日本時間22時)に開始される。

なお、ハンガリーGPでは前戦で実施されたスプリント予選は行われず、通常のレーススケージュールに戻る。

2021年F1第11戦ハンガリーGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:7月30日11時30分〜12時30分(日本時間18時30分〜19時30分)
フリー走行2回目:7月30日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
フリー走行3回目:7月31日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
予選::7月31日15時〜16時(日本時間22時〜23時)
決勝(70周):8月1日15時〜(日本時間22時〜)

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