雨に洗われた山々の緑が眩しい信濃路を、ボルボSUVのフラッグシップXC90リチャージ プラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプションで走った。優雅に、時にパワフルに。自然と一体になるプレミアムな時間。こんどは家族や友人たちと一緒に走ってみたい。(Motor Magazine2021年9月号より)

XC90の向こうに透けて見える幸せそうな家族の姿

つい先日のこと。スーパーカーをこよなく愛する友人から相談を受けた。曰く、いまSUVのオススメは何か、と。職業柄、この手の質問はしょっちゅう受けるので、よく聞かれる問いに対する答えはひととおり用意してある。

ただし、注意しなければいけないことがある。中にはもちろん何も知らないで聞いてくる人(いわゆるクルマ好きではない人)もいらっしゃるのだが、日頃の付き合いである程度クルマを知っているとこちらもわかっている方、たとえば今回のようなスーパーカー乗り、の場合、意を決して専門家に質問してくるからには、ある程度のパーソナルチョイスを心中に用意しているかもしれない、ということだ。要するに、相談相手の思いを上手に聞き出して、良いチョイスなら背中を押してあげることこそが肝心だったりする。

件の友人の相談に話を戻すと、彼から聞き出した購入の条件はとてもクリアなものだった。自分も乗るが、奥様も運転する。だから運転しやすいクルマがいい。子供が3人と大型犬がいるので3列シート仕様は必須。2列目以降の乗り心地もできれば気にしたい。

どうやら、すでにドイツの有名ブランドには何台か試乗したようだった。けれども今ひとつ乗り心地に満足できなかったらしい。シートが硬いのだという。中には助手席でも苦痛なモデルがあったらしい。何か他に良いチョイスはないものか、というのが彼の聞きたい核心だった。

私はそこで、彼には何か言い出したいブランドがあるような気がした。けれどもそのチョイスに自分自身で自信を持てないような気配を感じた。そこで私はふと思いついて、「ボルボなんてどう?」と、ごく自然に切り出してみた。

するとどうだ。彼は急に我が意を得たりという表情になって、「実は代車に借りていたXC60がすごく良くて。運転していてすごく個性的かというとそうではないかわりに、嫌なところがまるでない。でもちょっと僕ら家族には小さいんですよね、サイズが」と言い出した。「XC90があるじゃない!」と私。「あ、そうだった」。

その後、彼が購入を決めたかどうかは聞いていないけれど、ボルボXC90というクルマの個性が彼ら家族のライフスタイルにマッチしたことだけは間違いない。

画像: 最小回転半径は6m。大きいことは大きいが、7シーターSUVとして考えれば納得のサイズ感だ。

最小回転半径は6m。大きいことは大きいが、7シーターSUVとして考えれば納得のサイズ感だ。

話が前後してしまうけれども、そんな相談を受ける直前にこちらはXC90をじっくり試す機会に恵まれていたものだから、自信を持って勧めることができたのだ。

それにしても、XC90の放つ、なんとも幸せいっぱいなオーラはいったいどこからくるのだろう。SUVというクルマは、ことにそれが大きくなればなるほど「自分の方がお前より強いぞ!」アピールというか、見た目の厳つさを増すものと相場は決まっている。

けれど、XC90にはいい意味でそれがない。決してオシが弱いわけではないけれど、かといって攻撃的ではない。人の顔にも善悪があるように、クルマにもそれはあって、ボルボは高級ブランドの中でも稀有な「善人顔」だから、乗っている人もきっとそうだろうと思えてしまう。昨今の人気者で言えば、名だたる名プレーヤーの中にいて自然と笑顔を振る舞う大谷翔平選手のような存在だ。

常日頃からボルボのSUVを見ると、幸せなライフスタイルが透けて見えると思っていた。一軒家のガレージに収まっているボルボのSUVを見るたび、仲の良い家族団欒の笑い声や話し声が聞こえてきそうな気がするのだ。他のどのハイブランドにもない差別化をなし得たという点で、モダンボルボに共通するデザインコンセプトの勝利というほかない。

そもそもXC90は、そんなモダンボルボデザインの先駆けだった。デビューから早6年が経ったとはいうものの、スタイリングは今なお決して色褪せておらず、まったくもって古く見えない。この堂々たるフラッグシップモデルぶりもまた、デザインの勝利というものだろう。

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