自動駐車機能「リモートパークアシスト」をオプションで設定
ポルシェのBEV（フル電動モデル）スポーツサルーン「タイカン」と多目的スポーツモデル「タイカン クロスツーリスモ」の2022年モデルが日本導入の運びとなった。
タイカン シリーズは、2021年前半だけでも約2万台が納車され、年初来の販売台数が2020年全体の販売台数をわずかに下回るほどの勢いを示し、今や911シリーズと肩を並ぶほどの人気車種だ。2022年モデルでは、その魅力がさらにアップしている。
まずは、電気フリーホイール機能による日常走行時の航続距離の拡大だ。電気フリーホイール機能とは、ノーマルおよびレンジモードでは、フロントの電気モーターをほぼ完全に切り離し、4WDモードでは部分負荷時には無通電状態とし、コースティング時や停車時には、前後いずれのアクスルにも駆動力を行わないシステムで、これにより電気消費量が抑えられるという。ただし、ドライバーがさらなる出力が欲しい時に、ドライビングモードを変更すれば、再びミリ秒以内にモーターがオンとなる。
911シリーズと肩を並べる売り上げを記録するタイカンシリーズ。写真はタイカン ターボS。
自動駐車機能リモートパークアシストのオプション設定も行われた。ドライバーがスマートフォン（ポルシェ コネクトアプリ）を使って、遠隔操作で自動的に並列駐車や縦列駐車、車庫入れができるシステムだ。スマートフォンの対応は、アップルiPhone7とiOS13以降のiPhoneとなる。
インフォテイメントシステムの改良も行われた。これまでの第6世代ポルシェ コミュニケーション マネジメント（PCM）では、iPhone向けApple CarPlayのみのサポートだったが、今回からGoogle AndroidのOSを搭載したスマートフォンによるAndroid Autoも対象となった。
音声アシスタントのボイスパイロットの音声認識もより精度を増し、サテライトナビゲーションシステムは、計算の迅速化により地点情報（POI）のオンライン検索結果がスムーズに得られるようになった。加えて、インフォテイメントディスプレイのレイアウトとオペレーティングシステムの見直しも行われた。中央ディスプレイの左側のメニューオプションが3つから5つに増え、アイコンの個別配置が可能となっている。
ボディカラーの充実も図られた。従来の17種類の標準塗装カラーに加え、カスタムペイントプログラムのペイント トゥ サンプルとペイント トゥ サンプルプラスの利用が近々可能となる。
とくに1990年代に話題を呼び、964型911などのクラシックモデルで現在人気が高まっている、ムーンライトブルーメタリック、アシッドグリーン、ルビースター、リビエラブルー、ビオラメタリックを含む63色を選べるペイント トゥ サンプルには注目だ。ペイント トゥ サンプルプラスは、ほぼ自由にカラーを選ぶことができる。
なお、日本仕様の「タイカン」と「タイカン クロスツーリスモ」の2022年モデルに関しては、現在のところスペックや車両価格などは発表されていない。
タイカン ターボS（左）と964型 911カレラRS。どちらのボディカラーもルビースター。1990年代に964型911などに採用され、現在もポルシェファンの間で人気のボディカラーのひとつだ。
▪️ポルシェ タイカン ターボS 主要諸元（2021年モデル）
●全長×全幅×全高：4965×1965×1380mm
●ホイールベース：2900mm
●車両重量：2330kg
●モーター：永久磁石同期電動機
●最高出力：280kW（380ps）／560kW（761ps）＜ローンチコントロール時＞
●最大トルク：1050Nm＜ローンチコントロール時＞
●バッテリー総電力量：93.4kWh
●WLTCモード航続距離：412km
●駆動方式：4WD
●タイヤサイズ：前265／35R21、後305／30R21
●車両価格（税込）：2468万円
