クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車の1台ジープ ラングラーアンリミテッドを紹介していこう。MMラングラー号としてやってきたのは、4ドアボディのアンリミテッドサハラで、3.6LのV6エンジン搭載モデル。副変速機付きの選択式4WDシステムを備えた、本格派のSUVである。(Motor Magazine 2021年1月号より)

ワイルドだけどお洒落なジープ ラングラーアンリミテッド

ラングラーというモデルは、実に不思議なクルマだと思う。最新型でありながら、どこかノスタルジックな雰囲気を魅力的なものとして感じさせてくれる。また、見る人に敬遠させることなく、巧みなバランスで野性的なイメージも発散している。ワイルドでありながら、洒落ているのだ。

2020年12月号の第一特集企画で「ランドローバー ディフェンダー/メルセデス・ベンツ Gクラス/ジープラングラー」の3モデルをまとめて紹介した章があった。それを見て長期テスト担当者としては、ラングラーにはいまの時代に求められている「癒し」が備わっている、と改めて強く思った次第である。

刺激的なものに、特別な魅力がある。だが常に刺激され続けていると、いつしかそれに慣れてしまう。すると、さらなる刺激を求めるか、あるいはそうした刺激そのものに飽きてしまったりする。

もちろん、「癒し」も相対的なものだといえるから、そうした面は同じようにあるだろう。だがとりあえず、それに浸ってみたとしてもデメリットはないはず。ちょうど、アルファロメオ ステルヴィオの長期テストが終了したところで、次のテスト車を思案していたということもあり、短期であるが少しの期間、ラングラーに活躍してもらうことにした。

そして驚いたのだが、実は編集部内でも、ラングラーに対する関心が高かったのだ。導入されてすぐにリクエストがあり、愛知県豊田市まで行く取材に駆り出されてロングラン。その後も取材時の機材車などとして重宝されている。さらに2021年1月号では、連載企画で主役の1台としても登場するという、これまでのテスト車になかった活躍ぶりを見せてくれている。

乗ると実感する、ラングラーアンリミテッド独特の味わい

実際に乗ると、確かにラングラー独自の味わいが実感できた。ハンドル操作時、両手へ伝わってくるのはリサーキュレーティングボール式ステアリングギアボックスを採用するモデルならではの、しっとりとしていて、ひと呼吸入るようなゆっくりとした感触。昨今のクイックな操舵感のモデルたちとはここでまず心の持ちようが変化する。3.6LのV6エンジンは軽快かつスムーズで8速ATは滑らか。ラングラーは、速さではない価値観に満ちている。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)

画像: ホイール企画の取材で東京から豊田市までロングランしたときの1枚。

ホイール企画の取材で東京から豊田市までロングランしたときの1枚。

■第1回/2020年10月16日~11月20日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:1万1699km
・走行距離:2359km
・給油量:265.4L
・実燃費:8.4km/L

ジープ ラングラーアンリミテッド サハラ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4870×1895×1840mm
●ホイールベース:3010mm
●車両重量:1980kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:209kW(284ps)/6400rpm
●最大トルク:347Nm/4100rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・81L
●WLTCモード燃費:9.0km/L
●タイヤサイズ:255/70R18

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