クルマと路面の唯一の接点となるタイヤだが、そのタイヤをボディにつなげるためにはホイールが必要となる。これもかつてのスチールホイールから鋳造アルミホイール、鍛造アルミホイールなどがメインになり、サイズもさまざま。今回はその種類や構造を見ていこう。

ホイールはサイズだけでなく、PCDやインセットが重要になる

タイヤがクルマにとって重要なパーツであることは間違いないが、それとセットで考えなければいけないのがホイールだ。タイヤが外れにくい形状とするとともに、クルマ側のハブにしっかりと固定できる構造となっている。

画像1: 「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)」より転載。

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)」より転載。

ホイールのサイズ表示の一例をあげると、「6J×15 PCD100 インセット42」のようなものになる。6がリム幅、Jがフランジ形状、15がディスク面の長さ(インチ表示)、続くPCDというのは、ホイールをボディに取り付けるボルトホールの中心から対角線のボルトホールの中心までの距離になる。

PCDは国産車では100mmか114.3mmの2つがメインとなる。また、車種によってはボルトホールが4つだったり5つだったりする。

インセットはかつてプラスオフセットと呼ばれていた。インセット42というのは昔風に言えばオフセット+42であり、「ホイールを上から見た中心線を基準にして、ホイールの取り付け面が42mm外側にある」ということになる。この場合、数字が大きければ大きいほど、ホイールはボディ内側に入っていく。

その逆はアウトセットと呼ばれ、かつてはマイナスオフセットと呼ばれて、ホイールが外に張り出す形となる。

画像: アルミホイールはスチールホイールに比べて軽量であることや、ディスクの放熱性を高められることがメリットとなる。

アルミホイールはスチールホイールに比べて軽量であることや、ディスクの放熱性を高められることがメリットとなる。

現在、アルミホイールが主流となっている理由は、スチールホイールは相対的に重く、強度を保つために開放部が少なくなり、ディスクブレーキのローターからの熱気が逃げづらいというデメリットがあるからだ。その点、アルミ合金は軽量で、鋳造とすれば金型によっていろいろな形状にできるために、放熱のための開口部を広くすることが可能というのメリットがある。

以上は一般的な説明だが、実は同じサイズ同士でアルミホイールがスチールホイールよりも絶対に軽量かというと、そうとも言い切れない。アルミホイールが使われるのはファッショナブルだからという面もある。要は、そういうことをわかって重いアルミホイールをチョイスする選択肢もあるということだ。

画像2: 「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)」より転載。

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)」より転載。

鋳造の他に鍛造アルミホイールもある。これは、まさに走行性能の向上を狙ったものといえる。軽量となるのはもちろん、加工精度も高くなり、ウェイトを貼るバランス取りが事実上不要なものもある。軽量という意味では、マグネシウム合金ホイールはさらに優位になるが、高価になることや耐久面をはじめとする実用面で難があり、それを理解した上でモータースポーツなどに使用するものと言えるだろう。(文:Webモーターマガジン編集部 飯嶋洋治)

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