2分割のメタルルーフは約20秒で開閉可能
昨年(2008年)5月に上陸したハッチバック、9月のSWに続き、308シリーズに今回新たなボディラインアップが加わった。電動メタルトップを持つ4シーター、308CCだ。
2004年に登場した先代307CCは、日本において約3000台が販売されたヒットモデル。その先代と比較して、全長で75mm、全幅で60mmサイズアップ、逆に全高は5mm下げられ、よりロー&ワイドなスタイルを与えられたのがこの新型となる。
グレードは、本革シートに16インチタイヤを装備する「プレミアム」と、ダッシュボードまで本革のインテグラルレザー内装をまとい、17インチタイヤを履く「グリフ」の2種類。搭載エンジンはどちらも140psを発生する直噴1.6Lターボだ。
クーペ(クローズ)状態で並ぶ試乗車を見ると、なかなかにスタイリッシュだ。ハッチバックと同時進行で開発され、フロントセクションとボンネット以外はすべて専用のデザインが与えられたというだけあって、流れるようなボディラインはエレガントで美しい。またリアのディフューザー調のデザインは、力強くレーシーな雰囲気をも漂わせている。
重めのドアを開けて室内へと乗り込む。308シリーズは、このセグメントでは抜きん出てプレミアム感を演出しているが、本革シートが標準となる308CCの内装は、それに輪をかける華やかさを持つ。
先代比で室内長が125mm、室内幅は210mmも上回るため、リアシート空間も余裕がある。後席の背もたれが立ち気味なのと、デザイン上、クーペの状態では後席アタマまわりに余裕が少ないことを除けば、スペース的には大人4人乗車のドライブも十分可能。Cセグメントベースの4シーターカブリオレの中では、実用的な広さを確保している。
サイドブレーキ隣にあるスイッチを押すと、メタルルーフが2分割されながらトランクルームへと格納され、およそ20秒でカブリオレモードとなる。この開閉の動作にかかる時間自体は、ライバル車と比較してとりわけ短いというわけではないが、先代比では5秒短縮されているので、信号待ちなど限られた時間のなかで、焦らずに開閉させることが可能となった。
ちなみに、荷室容量はクーペ時が403L、カブリオレ時は226Lとなる。さらに、荷室にあるトノカバーをあらかじめ引き出しておかないと、メタルルーフのオープン操作はできないという安全対策も取られている。