2021年10月22日(日本時間10月23日)、F1第17戦アメリカGPがテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する。前戦トルコGPでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位に入り、メルセデスのルイス・ハミルトンに6ポイント差をつけるポイントリーダーとなってこのグランプリを迎える。2021年のF1もアメリカGPを含めて残りわずか6戦。タイトル争いが緊迫する中、どんなレースが展開されるのだろうか。

地形を生かしたアップダウンがあるチャレンジングなコース

ロシアGPでフェルスタッペンが最後尾スタートから2位に入り、前戦トルコGPではハミルトンが10グリッド降格の11番手スタートから4位でフィニッシュ。それぞれパワーユニット交換ペナルティのグリッド降格を消化して、いよいよふたりのガチンコ全開対決が始まる。

アメリカGP開幕前の時点で、ドライバーズランキングは1位フェルスタッペンが262.5点、2位ハミルトンが256.5点とその差はわずか6点。優勝25点、2位で18点だから、その差は簡単にひっくり返るほどの接戦となっている。

ただ、リタイアによるノーポイントはチャンピオン争いにおいて致命傷になりかねないので、どちらも慎重な戦い方になるだろう。とにかくライバルよりも前でゴールすることが重要で、互いの動きを見ながらの戦いとなりそうだ。こうなると、チーム戦略、チームメイトのフォローも重要となってくる。

2021年F1ドライバーズランキング(第16戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)262.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)256.5
3位 V.ボッタス(メルセデス) 177
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 145
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)135
6位 C.サインツ(フェラーリ) 116.5
7位 C.ルクレール(フェラーリ) 116
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)95
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)74
・・・・・・・・・
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18

2021年コンストラクターズランキング(第16戦終了時)

1位 メルセデス 433.5
2位 レッドブル・ホンダ 397.5
3位 マクラーレン・メルセデス 240
4位 フェラーリ 232.5
5位 アルピーヌ・ルノー 104
6位 アルファタウリ・ホンダ 92

アメリカGPが行われるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas=略称COTA)は、2012年、テキサス州オースティンにF1グランプリ開催のために建設されたコース。反時計回りで、急勾配を駆け上がるターン1に、多様な高速コーナーとロングストレートなど見どころの多いサーキットで、最大高低差は41m。地形を生かしたアップダウンがあるチャレンジングなコース設定となっている。

名物コーナーはホームストレートからの急激な上り坂の頂点に設置されたヘアピンで、この部分のコース幅は30m近くもあり、3ワイド、4ワイドでオーバーテイク合戦が繰り広げられる。

設計はヘルマン・ティルケによるもので、多様な高速コーナーがある一方で、低速コーナーも多く、ストレートスピードと低速でのグリップのバランスをどう取るか、どこを重視してセットアップするかがポイントとなる。

画像: サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りに多様な20のコーナーが配される。高低差が41mあるのも特徴となっている。全長は5513m。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りに多様な20のコーナーが配される。高低差が41mあるのも特徴となっている。全長は5513m。

2019年のアメリカGPでタイヤマネージメントがポイントに

2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となっており、アメリカGPの開催は2年ぶり。前回の2019年はメルセデスのバルテリ・ボッタスが優勝、1ストップで走り切ったハミルトンが2位に入って3年連続6度目のドライバーズ選手権タイトルを決めている。フェルスタッペンもメルセデス勢に対して常に先に仕掛ける積極策で真っ向勝負をしかけたが、わずかに届かず3位となった。

画像: 前回2019年のアメリカGPではメルセデスのバルテリ・ボッタスが優勝。2位にルイス・ハミルトンが入りチャンピオンを決めた。

前回2019年のアメリカGPではメルセデスのバルテリ・ボッタスが優勝。2位にルイス・ハミルトンが入りチャンピオンを決めた。

画像: 前回2019年のアメリカGPでのタイヤ戦略。ハミルトンはミディア→ムハードのワンストップで、2ストップのフェルスタッペンを抑えた。3つのコンパウンドが使われている点にも注目。今回もさまざまな戦略が考えられそうだ。

前回2019年のアメリカGPでのタイヤ戦略。ハミルトンはミディア→ムハードのワンストップで、2ストップのフェルスタッペンを抑えた。3つのコンパウンドが使われている点にも注目。今回もさまざまな戦略が考えられそうだ。

【参考】2019年F1第19戦アメリカGP決勝 結果

優勝 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)56周
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+4.148s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+5.002s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+52.239s
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+78.038s
6位 3 D.リカルド(ルノー)+90.366s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+90.764s
8位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+1周
9位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+1周
10位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+1周

タイヤを供給するピレリはアメリカGP開幕を前に、2021年の戦いについて「チームはオースティンでかなりの経験を積んでいますが、コースの約40%が再舗装されたので不確定要素が多くなっています。また、この時期のテキサスの天気を予測できない可能性がありますが、ピレリは入手可能なデータに基づいて、中間の柔らかさの3つのコンパウンドを選択しました。これは2年前と同じで、さまざまな温度に対応できます。2019年に優勝したメルセデスのボッタスは2ストップ(ミディアム→ハード→ミディアム)でしたが、チームメイトのハミルトンはミディアム→ハードのワンストップで2位に入っています。レース中、3つのコンパウンドすべてが重要な役割を果たしました。サーキットはこのところあまり使用されていないので、週末の初めはかなりグリーンなトラックかもしれませんが、サポートレースが多いのでトラックは急速に進化するはずです」と分析している。

なお、ホンダのパワーユニットで戦う2チーム、レッドブル・ホンダとアルファタウリ・ホンダはマシンやレーシングスーツの「HONDA」ロゴを「ACURA」ロゴに変えて参戦することになった。

さて、今年はどんなレースになるのか。第17戦アメリカGPは10月22日11時30分(日本時間10月23日1時30分)から始まるフリー走行で開幕、予選は10月23日16時(日本時間10月24日6時)、決勝は10月24日14時(日本時間10月25日4時)に開始される。

2021年F1第17戦アメリカGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:10月22日11時30分〜12時30分(日本時間10月23日01時30分〜02時30分)
フリー走行2回目:10月22日15時〜16時(日本時間10月23日05時〜06時)
フリー走行3回目:10月23日13時〜14時(日本時間10月24日03時〜04時)
予選:10月23日16時〜17時(日本時間10月24日06時〜07時)
決勝(56周):10月24日14時〜(日本時間10月25日04時〜)

This article is a sponsored article by
''.