老朽化した橋梁のコンクリート床板を取り替える工事
東名多摩川橋は1968年に開通した区間に位置する橋梁。開通後50年あまりを経過しており、また大型車の交通量も多いことから老朽化が進んでいる。部分的な補修や補強は行われてきたが、床板取替などの抜本的な対策が必要となっている。
今回のリニューアル工事は、老朽化した橋梁のコンクリート床板を新しい床板に取り替える工事のため、2021年11月下旬から2024年11月下旬ごろまでの約3年間で、土日祝日を含む通年での昼夜連続シフト規制(車線幅縮小)、ならびに一部期間で昼夜連続の車線分離規制(車線シフト・車線幅減少)および夜間車線規制を行うもの。
だが、工事を実施する東京IC〜東名川崎IC間は、日平均断面交通量が10万台を超える重交通区間であり、従来のリニューアルのように交通規制により車線数を減少させた場合、大規模な渋滞が懸念される。そこで、今回のリニューアル工事では、車線幅を縮小し現状の6車線を極力確保しながら工事を行う交通運用を採用することで、利用者への影響を最小限に抑える。
期間中は工事の進捗に合わせて交通運用の形態を大きく6つの施工ステップに分割して工事を実施する。また、従来は全断面で橋梁の床板を取り替えていた工法を、断面を分割して床板取替を行う工法に変更して、工事中に確保できる車線数が現状の6車線を極力確保できる車線確保型の交通運用を行う。そのために工事期間は長くなるが、渋滞などの影響は最小限に抑制できるという。車線シフト移行工事は2021年11月8日(月)から始まり、昼夜連続車線シフト規制は11月27日(土)から行われる予定だ。
なお、工事期間中も東京ICの利用は可能だ。工事による交通規制情報などは、東名リニューアル工事専用Webサイトや、ハイウェイラジオ、ハイウェイテレホンなどでも提供されるので、東名方面へ出かける場合は、事前に情報を確認しておきたい。また、期間中の工事による渋滞を考慮して、中央道や圏央道への代替ルートも検討しておくといいだろう。(写真と図版:NEXCO中日本)