「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 ジューク アーバンセレクションだ。

立体駐車場もOKの低車高に走りの安定感をプラス

画像: インテリアはインパネまわりやシートをはじめ、ベース車と同じだからユニークさもそのままだ。

インテリアはインパネまわりやシートをはじめ、ベース車と同じだからユニークさもそのままだ。

オーテックジャパンが手がけたジューク アーバンセレクション。まず、ガンメタリックのフロントグリルやホワイトリングのイルミネーションが光るフォグランプなどが目につくが、それ以上に「おや!」と思わせてくれたのが、ローダウンされた車高だ。

アクの強さでは国産車随一だが、扱いやすさや優れた走行性能が普通にウケているジュークに、ただひとつ問題があったのが、SUVならではの「高い車高」だ。2WD(FF)でも1565mmという車高は、都会に多い立体駐車場には微妙に厳しい。実際、都会のマンション住まいで駐車場は立体という人で、ジュークの購入をあきらめた人もいるらしい。そういう意味で、このアーバンセレクションの「マイナス15mmの車高」は、けっこう気になる人は多いかもしれない。

それにしても、15mmというローダウン化は、実に絶妙な数値だ。ノーマル車と並べて比べないと、標準車高との違いはわかりにくいし、ドライバーズシートに座っても「ちょっと視点が低いかも」という程度の印象の違いしかない。まさしく「気のせいか」レベルの差だ。

だが、新たにセッティングされたローダウンサスが生み出す走りの安定感は、「気のせい」ではない。コーナリングはもちろん高速での車線変更などでも、ジュークならではのキビキビした動きに安定感が増していることがわかる。路面からの突き上げ感も少しキツめに伝わってきてしまうけれど、よりダイレクトなハンドリングは快感だ。

このアーバンセレクション、いまのところは前述のように1.5Lモデルにしか設定されていないのだが、できることならターボ(4WD)モデルにも、ぜひ設定して欲しいところだ。そのときは、さらに車高を低めて走りにふった仕様にしても、面白いかもしれないのだが・・・。

画像: 乗り心地はノーマルより少し硬めだが、走りを重視する人には気にならないレベルに収まっている。

乗り心地はノーマルより少し硬めだが、走りを重視する人には気にならないレベルに収まっている。

■日産 ジューク 15RXアーバンセレクション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4135×1765×1550mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1170kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1498cc
●最高出力:84kW<114ps>/6000rpm
●最大トルク:150Nm<15.3kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:17.2km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●当時の車両価格(税込):198万4500円

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