二人のシビックオーナーが新型シビックを初試乗！ MT編
佐藤 岡崎さんはタイプRにお乗りですが、タイプRよりはクラッチが軽く、ミートポイントも違うので、最初は慣れないかもしれません。また、新型シビックは従来モデルに比べ、シフトレバーの支持剛性を高め、節度感などもこだわっています。
上山 ブッシュが違うということですか？
佐藤 シフトレバーの支持剛性を高めるために、従来は樹脂だけの骨組みで作っていましたが、それをアルミと樹脂のハイブリッド構造とすることで剛性感を高め、節度感を上げました。シフトストローク5mm、セレクトストローク3mm短縮しているので、よりスポーティさを感じていただけると思います。
上山 ショートストロークということですね。
岡崎 MT車の運転がそれほど上手いほうではないのですが、このシビックのMTはなめらかに発進できます。
佐藤 普段マニュアル車に乗っていない人でも慣れるまでに時間はかからないと思います。CVTにはCVTの良さがありますが、操る喜びや軽さはやはりMTの良さですね。CVTにはない走りがMTにあります。
岡崎 CVTでも思いましたが、MTも人に寄り添ってくれるクルマだなと感じました。
佐藤 シフト操作とアクセルペダル、クラッチペダルのコントロールによって自分で操っている感覚がMTの良さだと思います。岡崎さんのまわりの若い人たちはAT限定の運転免許を持っている人が多いですか？
岡崎 僕のまわりはAT限定が多いですね。逆にマニュアルのクルマってあるの？ と聞かれます。
佐藤 操る楽しさを追求したホンダのMTラインナップとしてN-ONE RSがあり、シビックタイプRがあります。今回ベースグレードのシビックにおいてもいつまでも乗っていたくなるような走る楽しさを追求し、物理的にも重心が低くて、視界もよくて軽快感のあるMT車を出せるのは開発側としても嬉しいことですし、若い人たちにクルマの楽しさを味わっていただけると嬉しいですね。これから電動化の時代になっても操る喜びが増していくよう、我々は訴求していきたいと思っています。
岡崎 教習所に通っている時もなかなかMT車のコツが掴めなかったのですが、実際に免許を取って走ってみると楽しいと思えるんですよね。
佐藤 応答性やダイレクト感はMTのほうが伝わってくるかなと思います。
岡崎 MT車は、任意のギアに設定でき、クルマとひとつになれていると思える、それが醍醐味ですね。
MTは自分で操り、クルマとひとつになれるところが醍醐味ですね（岡崎さん）。
── MT車のドライバーを上山さんに交代していただきましょう。
上山 MTおもしろい！
佐藤 やはりCVTとは違いますよね。
上山 違いますね。クルマの性格もぜんぜん違う。加速の仕方が違います。
岡崎 ドカーンときますね。
上山 でも滑らかな加速です。これで山道を行くと面白いでしょうね。ボディの重さだけでなく、ホイールベースも長く感じませんね。旋回性が良い。
佐藤 ホイールベースは2735mmありますが、高速走行だとそのぶん安定性が増します。
上山 いやぁ、これはすごいな。なにもやることないですね。ノーマルのままでいけちゃう。
岡崎 リアシートに乗っていても楽しさが伝わってきます。
上山 すべての動きがすごく軽快。
佐藤 コンセプトの爽快シビックを成立させるためにダイナミックの考え方でいくと、質の高い軽快感というキーワードでやっていたので、そういう風に言っていただけると我々としても嬉しく感じます。
上山 新型シビックの見た目はおとなしいじゃないですか。従来よりも顔つきが柔らかくなっているけど、アクセルペダルを踏むと別の顔も現れますね。
佐藤 ぜひワインディングロードを走っていただきたいです。楽しめると思います。
岡崎 ドライバーの操作にピタッと付いてくる感じがします。
上山 運転していてすごく気持ちいい。
佐藤 無駄にシフト操作をしたくなる。
上山 それで、運転がすごく上手くなった気になる（笑）。こういうキャラクターで、この大きさのクルマで、ファミリーが乗るようなクルマによくMTの設定をしましたね。
佐藤 シビックだからこそできた、と思っています。
車重も感じない、長さも感じなく、旋回性がいい。これで山道を行くと面白いでしょうね（上山さん）。