新型シビックの試乗を終えて
── お二人に新型シビックに試乗していただきました。新型シビックの試乗を終えていかがでしたか。
岡崎 新型シビックのマニュアル車とCVT車に試乗して、両方に共通して感じたのがドライバーに寄り添ってくれるクルマだな、という印象を感じました。MTに不慣れなドライバーにもシビックが「大丈夫だよ」、「がんばれ」と言ってくれているようで、人に優しいクルマだなという感じを受けました。シートもドライバーを包み込むカタチをしているので、座っているというよりも包まれている感じで、ハンドルも自分の手にフィットして、僕のような初心者にも乗りやすいクルマでした。
佐藤 新型シビックはドライバーに寄り添ってくれるとのことでしたが、爽快シビックの「爽」の字には人中心の言葉が含まれているので、ホンダとしても人を中心に開発してきて、どうやったらドライバーに寄り添えるのかを研究してきました。そういう意味でこの思いが伝わったのは嬉しく思います。われわれが目指した爽快シビックというコンセプトを感じ取っていただけたことにも感謝しています。
── 上山さんはいかがでしたか。
上山 1.5Lのターボがこんなにトルクフルで、こんなにパワーが出るんだということに驚きました。そのエンジンとCVTとのマッチングも良かったです。僕が乗っているワンダーシビックの時代のATだと少しイラッとする瞬間があったんですが、最近のクルマはストレスフリーで思ったとおりに加速してくれるんだな、CVTの進化はすごいなと感じました。
── マニュアル車はいかがでしたか?
上山 やっぱり気持ちいいですね。操る気持ち良さってすごくありますね。いろいろとお話を聞きましたが、シフトはショートストロークだし、カチッという操作感もひとつひとつが気持ち良かったです。一連の操作がきちんと決まっていくので、上手くなったような気がしましたね。このクルマ楽しいです。それしかないです。
佐藤 上山さんがMTを楽しんで操作している姿を助手席から見ていたら、「MTを開発してよかった」と改めて思いました。クルマとドライバーが一体感をもって運転できる楽しさはMTならではだと思います。今後、EVや自動運転の時代へと向かいMT車がシュリンクしていく流れの中で、20代・30代の人たちにこの楽しさを伝えていきたい。

ドライバーに寄り添ってくれるクルマだな、という印象を感じました(岡崎さん)。MTはやっぱり気持ちいいですね。操る気持ちよさってすごくありますね(上山さん)。
現オーナーからみるシビックへの期待
── 最後にお二人にお聞きします。今後のシビックに期待することや要望などはありますか。
岡崎 ホンダにはいろいろな車種がありますが、シビックは長い歴史のあるクルマですよね。私にはシビックがホンダの顔だというイメージがあります。これからもホンダを象徴するようなクルマで、そして家族で乗れるクルマであって欲しいです。
上山 シビックは大好きなクルマなので、これからもどんどん代替わりして、よりよいクルマになってもらいたいですね。デザインは髪型やファッションと同じで好みがありますが、「でもハンドル握れば黙らせてしまうよ」というクルマを作って欲しいです。

シビック EX CVT(左)とシビック EX MT。
── シビックのこれからの展開も楽しみですね。
佐藤 つねに時代とともにホンダの思想を語りかけているのがシビックであり、ユーザーの先をいくのもシビックです。まだ11代目シビックは始まったばかり、ここでいただいた言葉を次の開発に展開していきたいと思います。
── ホンダにはハイブリッドの「e:HEV」があります。またシビックといえば「タイプR」ですよね。
佐藤 今後の展開について、2022年にe:HEVとタイプRを出したいと考えています。今回、CVTとMTをラインナップして、シビックのベースはできました。さらに一歩先を進めて、CVTに先進領域であるe:HEVを投入したいと思いますし、MTの究極の操る喜びにタイプRを、そこにシビックシリーズの新しいページが築けるのではないかと思っています。楽しみにしていてください。

ボディサイズは全長4550mm×全幅1800mm×全高1415mm、ホイールベースは2735mm。

クーペのようなスタイリングのリアビュー。テールゲートの最大開口幅は1159mmと先代よりも23mm広い。

搭載するエンジンは1.5L直4直噴VTECターボで、最高出力は134ps、最大トルクは240Nmを発生する。

リアゲートは樹脂製でヒンジ位置の工夫によりショルダーラインを抑えている。室内のヘッドクリアランスも確保している。

水平基調のインテリアデザイン。シビックとしては初の10.2インチフルグラフィックメーターを採用し、二眼表示のほかバーグラフ表示も可能。センターには9.0インチのHonda CONNECT ディスプレーを搭載する。

EXのフロントシートはウルトラスエードとプライムスムースのコンビシート。赤のステッチが入る。

リアシートもボディサイズが大きいだけに高い居住性を確保している。60:40分割可倒式。

ラゲッジスペースは452Lでリアシートを倒せばキャディバッグ3つが入る。カーゴエリアカバーは横引き式で便利。
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youtu.beホンダ シビック EX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm
●ホイールベース:2735mm
●車両重量:1370kg(6速MTは1340kg)
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1496cc
●最高出力:182ps/6000rpm
●最大トルク:240Nm/1700-4500rpm
●トランスミッション:CVT(7速マニュアルモード付)/6速MT
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:235/40R18
●車両価格(税込):353万9800円