スポーツモードで走りは一変、俄然パワフルな走りが楽しめる
1.6L直4ターボにフロントとリアの電動モーターの組み合わせによりシステムトータルで360ps、520Nmを発生する。
走りもとても快適だ。デフォルトのエレクトリックモードでは、ほぼ無音のEV走行である。コンフォートモードやハイブリッドモードでも、エンジン音はとても静かで、乗り心地も快適。プレミアムワゴンといった印象だ。
だがスポーツモードに切り替えた瞬間、様相は一変する。前後の電気モーターに流れる電流が一気に倍増したかのように、俄然パワフルな加速を披露し始めるのだ。
その走りはまるでライトウエイトスポーツカーだ。0→100km／h加速5.2秒は伊達じゃない。アクセルペダルを軽く踏み込むだけで、軽々と高速域まで加速していく様は、ほぼ今どきのBEVである。だがBEVにしては1850kgの車両重量は軽いため、そう感じられるのかもしれない。また前後重量配分が良好だからハンドリングはとても素直で、コーナリング中の姿勢も安定している。ワインディングロードがとても楽しいのだ。
現行の508ハイブリッドとは違い、バッテリーをセーブする機能が付いているのも嬉しい。唯一気になったのは、ややスポンジーな印象のブレーキフィール。もう少し踏み始めからカチッとした制動感が感じられると、もっと積極的に走りが楽しめるだろう。
508SW PSEは、これまで経験したことがない、とても新鮮なドライビングフィールが味わえる個性的なモデルである。電動化を積極的に推進するプジョーの、新たなフラッグシップに相応しい作品と言えるだろう。（文：竹花寿実／写真：山本佳吾）
プジョー508SWプジョースポール エンジニアード主要諸元
●全長×全幅×全高：4778×1859×1420mm
●ホイールベース：2793mm
●車両重量：1850kg
●エンジン：直4 DOHCターボ＋モーター
●総排気量：1598cc
●最高出力：200kW（147ps）／6000rpm
●最大トルク：300Nm／3000rpm
●モーター最高出力：フロント81kW（110ps）／リア83kW（113ps）
●モーター最大トルク：フロント320Nm／リア166Nm
●システム総出力：265kW（360ps）
●システム最大トルク：520Nm
●トランスミッション：8速AT
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：プレミアム・43L
●タイヤサイズ：245／35R20
*EU準拠
