クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ボルボ V60 B4モメンタムを紹介。・・・私の体型は180cm/80kgと平均よりも若干大きいためなのか、クルマによってはドライビングポジションをうまく決めらないこともある。V60はそうした不満を抱かせない調整幅を持っているのだが、フィットしないシートやハンドル位置に悩む人も多いはず。ということで、今回はドライビングポジションについて気づいたことを書いていこうと思う。(Motor Magazine 2021年8月号より)

ACC&パイロットアシストをより快適にしてくれる設計

毎日のように高速道路を走行する私にとって強い味方となっているのが、ACCとパイロット・アシストだという話は前回に書いたばかり。まさに疲れ知らずな走行を実現してくれる機能であるが、これをさらに快適にしてくれる設計がV60に施されている。

ひとつが、センターコンソールボックス上面とアームレストが高い位置にあるということだ。V60やV90などの中・大型モデルに採用されるSPAプラットフォームは電動パワートレーン搭載を前提に開発され、センタートンネルの中に駆動用リチウムイオンバッテリーを収める設計が施されている。これにより運転席と助手席は「高く、大きな箱」、もといセンターコンソールで仕切られており、はじめてインテリアを見た時に驚くほどの存在感だったことを覚えている。

ところが運転席に座るとその印象は一転し、この大きさがちょうどいい塩梅で体にフィットする。ACC&パイロット・アシストを使用しての走行中に左ひじをアームレストに置くと、手のひらは自然とハンドルの9時の位置に届く。もちろん右腕も、ほぼ同じ高さに設定されているドアアームレストを経由して3時の位置に到達するのだ。

パイロット・アシスト使用中は、腕の体重をすべて預けられるため、最近肩凝りの症状が強くなってきたアラフォーの私にとっては、肩の力を抜いたリラックスした姿勢で運転できる嬉しい設計である。ドライバーの体格によるところもあるかもしれないが、ハンドル位置を58mm(実測値)も前後に移動できるテレスコピック機能を調整すれば、きっとちょうどいい「ひじ置き場」を見つけられるはずだ。

画像: アームレスト形状は運転席側の辺を長くした台形であることもポイント。ひじを乗せるのにちょうどいい。

アームレスト形状は運転席側の辺を長くした台形であることもポイント。ひじを乗せるのにちょうどいい。

もうひとつ、運転中ではないが新たな発見もあった。外出先の駐車場でノートパソコンを開いてリモートワークできないかと、テレスコピックを一番奥に、シート位置を最後端に調整したときのことだ。

シートスライド幅がとにかく大きいため、ひざの上に乗せた15インチタイプのノートパソコンがハンドルにぶつかることなく開き、正面を向いたまま作業できてしまったのだ。これならV60の運転席で長時間リモートワークをこなすこともできそうだ。難点はあまりに座り心地が良くて仕事中に眠くなってしまうことだ。濃いコーヒーは必須アイテムかもしれない。(文:Motor Magazine編集部 蔭山洋平)

画像: テレスコピックの調整幅は約6cmと、数値にすると大きく感じないかもしれないが、その効果は絶大だ。

テレスコピックの調整幅は約6cmと、数値にすると大きく感じないかもしれないが、その効果は絶大だ。

■第4回/2021年5月18日〜6月17日(4カ月目)のデータ
・オドメーター:9476km
・走行距離:2856km
・給油量:179.2L
・実燃費:15.9km/L

ボルボ V60 B4モメンタム 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:145kW(197ps)/4800-5400rpm
●最大トルク:300Nm/1500-4200rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●車両価格(税込):499万円

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