2021年6月15日、日産がノートをベースに先進装備や上質な車内の設えさらに最新のシリーズハイブリッドパワートレーン「eパワー(e-POWER)」も備えた新ジャンルのプレミアムカー「ノート オーラ(NISSAN NOTE AURA)」を発売した。「オーラ」という車名は気品、複製されたものにないオリジナルだけが持つ輝きという意味に由来するという。今回はそのラインナップの中から、ノートオーラ Gレザーエディションに試乗した。(Motor Magazine2021年12月号より)

ノートと差別化が図られたプレミアム感たっぷりの内外装

「オーラ」の販売が好調だ。発売後の約3週間で1万台を受注したという。しかも輸入車からの乗り替えユーザーも多いという。商品キーワードに「上質」や「プレミアム」を掲げる特別仕立てのオーラは、他のコンパクトカーにはないものを多く身に付けている。

オーラは3ナンバーのワイドボディで見た目のバランスも良い。この理想的なプロポーションのために、バンパーとフェンダー、リアドアなどは新たに設計された。つまり多くのボディパネルが専用となる。そこまで徹底してノートとの差別化が図られているのだ。LEDを駆使したランプ類の先進的なルックスや、デザイン性と機能を兼ね備えた17インチホイールの見栄えも良い。

外見だけでなくインテリアも見どころ満載だ。このクラスでは珍しい12.3インチカラーディスプレイのメーターパネルとインフォテインメント画面をつなげた一体型形状は、先進的な見た目だけでなく視認性にも優れる。とくにメーターは多彩な表示が可能で、エンハンスモードでは、画面中央部分の表示面積が広くなり、そのぶん運転支援機能の作動状態やナビの地図表示など、多くの情報を表示できる利点もある。

インパネまわりのツイード調織物のクロスと木目調フィニッシャーを組み合わせた上質で落ち着いた雰囲気も、このクラスではちょっとほかに心当たりがない。素材へのこだわりを感じさせる。

さらにはヘッドレスト内蔵スピーカーを備えた「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」を選べるのもオーラならでは。ドライブ中はずっと、この居心地の良い上質な音響空間を味わえるという特権が得られる。高級車らしくクッション材にスラブウレタンを採用したシートの着座感も上々で、「ゼログラビティ(無重力)」を謳うだけあって、長時間座っていても疲れにくいのもありがたい。

画像: リアのデザインも「アリア」と共通のデザイン言語に基づく。アルミホイールと樹脂加飾で構成された17インチホイールは、空力性能にも優れる。

リアのデザインも「アリア」と共通のデザイン言語に基づく。アルミホイールと樹脂加飾で構成された17インチホイールは、空力性能にも優れる。

モーターの出力とトルクがアップされ爽快な走りを実現

走りも、プレミアムを名乗るのであれば、性能も相応でなければならないという意志を感じる仕上がりだ。オーラでは第2世代e-POWERが持つ本来の能力をほぼ出し切り、ノートに対して15kW、20Nmも性能が引き上げられている。

おかげで、プレミアムスポーツセダン並みの走行性能を実感した。とにかく速くて静かで、しかもなめらかだ。静粛性もノートよりも手当てされ、パワートレーンの透過音やウインドウからの音の侵入が抑えられている。上質なインテリアと併せて、快適な車内空間を乗員に提供してくれるのもありがたい。

走行モードは「ECO」がデフォルトだが、それでも競合車でいう「ノーマル」相当かそれ以上にしっかり加速してくれるので、ストレスを感じることはない。走りを楽しみたくなったときには「SPORT」モードを選ぶと、より瞬発力のあるレスポンシブな走りを堪能できる。これぞe-POWERの真骨頂だ。さらに「B」レンジに入れると、アクセルオフでの減速度が20%増して、よりメリハリの効いたスポーティなドライビング感覚を味わえる。

どのモードを選んでもアクセルワークに対して遅れなく応答するのはe-POWERの強み。そこは強力なエンジンを積んでいるモデルでもかなわない。とくに出力とトルクがハイパフォーマンス化されたオーラならなおのことだ。

ワイドトレッド化の恩恵は、見た目の良さだけではなく走りでも感じられた。安定感が増し、乗り心地も良くなって、持ち前の俊敏なハンドリングを、より美味しく味わうことができる。そして日産といえばプロパイロット。ナビリンク機能も付いていて、高速道路でのドライブの運転操作を適宜サポートしてくれるのは頼もしい限りだ。

オーラはコンパクトカーでは異例づくめ。第2世代e-POWERの新次元の走りと既存のコンパクトカーを超えた上質な世界観を味わえるのはオーラだけだ。(文:岡本幸一郎/写真:井上雅行)

画像: 12.3インチのメーター画面と9インチのナビ画面がつながった一体型形状のパネルが目を引く。先進的な電制シフトは、下に小物を収納できる実用性とデザイン性を両立。

12.3インチのメーター画面と9インチのナビ画面がつながった一体型形状のパネルが目を引く。先進的な電制シフトは、下に小物を収納できる実用性とデザイン性を両立。

日本初の「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」の実力は?

画像: ヘッドレストにスピーカーを内蔵。

ヘッドレストにスピーカーを内蔵。

「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」は、運転席と助手席のヘッドレストに2基ずつ内蔵された60mmの小型スピーカーが、それぞれの周囲に音の広がりを作り出し、360度音に包まれているような大迫力のサウンドを実現する。

「Personal Space Control」をW(ワイド)側に調整するとアリーナにいるような感覚になり、T(タイト)側に調整すると自分だけのために演奏してくれているかのような音場になる。耳の位置で最も良い音が出るようにスピーカーが配され、未知なる臨場感あるサウンドに出会うことができた。

先進的な運転支援システムで走りがより安全でスムーズに

画像: 先進的な運転支援システムで走りがより安全でスムーズに

プロパイロット(ナビリンク機能付き)

ナビ協調制御を行う点が新しいプロパイロットの最大の特徴。地図情報により、カーブ手前で安全に曲がれる速度まであらかじめ自動的に減速したり、速度標識認識による速度調整機能も備え、快適すぎて速度超過で捕まった、なんてことも防げる。また、自車からは見えない2台前を走る車両との距離までミリ波レーダーで確認している点も優れもの。より自然でスムーズな減速支援に貢献している。

360度セーフティアシスト(全車標準装備)

同じクラスの国産車でこれを上回る例はほかに心当たりがないほど運転サポート機能は充実している。高速道路でも駐車場でも、予期せぬ事象が発生した場合にクルマに守られているように回避支援や停止など適宜対応してくれる。

日産ノート オーラGレザーエディション主要諸元

●全長×全幅×全高:4045×1735×1525mm
●ホイールベース:2580mm
●車両重量:1260kg
●エンジン:直3 DOHC+モーター
●総排気量:1198cc
●最高出力:60kW(82ps)/6000rpm
●最大トルク:103Nm/4800rpm
●モーター最高出力:100kW(136ps)/3183-8500rpm
●モーター最大トルク:300Nm/0-3183rpm
●トランスミッション:-
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・36L
●WLTCモード燃費:27.2km/L
●タイヤサイズ:205/50R17
●車両価格(税込):269万9400円

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