またもハミルトンが圧倒、2連勝でタイトル争い混沌
前戦から脅威の速さが復活したハミルトンが危なげないレースで圧勝した。ライバルのフェルスタペンが予選での2重黄旗無視で5グリッド降格のペナルティを受けたこともあって、余裕のスタートダッシュで主導権を奪うと、あとは後続との差を見ながら終始首位をキープ。2回のタイヤ交換も無難にこなし、結局影をも踏ませぬ独走劇で前戦サンパウロに続く連勝を飾った。
ハミルトンは今回の優勝により、2位に終わった選手権首位のフェルスタッペンとの差を8点にまで縮めて、残り2戦を迎えることになった。
会心のレースを終えたハミルトンは、「今は心理的にも肉体的にもベストの状態。クルマもいいし、連勝できてよかった」と逆転でのタイトル防衛に自信を漲らせた。
2位+最速ラップが精一杯、完敗のフェルタッペン
ペナルティを受けて7番グリッドからのスタートとなったフェルスタッペンは、好スタートで順位を上げると5周目には2番手に浮上。
しかし、そこからハミルトンとの差を詰めることはできなかった。唯一抵抗できたのは後続との大きなタイム差を活かして先にピットに入る戦略をライバルに見せつけ、最終的に最速ラップ=1点を確保したこと。
レース後のフェルスタッペンは「スタートが良くて、2位と最速ラップが取れてよかった。いいレースだった」と気丈なコメントを残したが、現時点でメルセデスとレッドブル・ホンダのスピード差は歴然としており、ランキング首位の座は守っているものの最終局面はかなり厳しい戦いとなりそうだ。
ホンダ勢はレッドブルのセルジオ・ペレスが4位。メルセデスのバルテリ・ボッタスがリタイアしたことで、コンストラクターズ選手権で首位メルセデスにレッドブル・ホンダが5点差に迫る状況になった。
一方、アルピーヌ・ルノーと選手権上位を争うトロロッソ・ホンダは、2台揃ってトップ10グリッドからスタートしながら早めのタイヤ交換が裏目に出て、ピエール・ガスリー、角田裕毅ともポイント圏外フィニッシュとなり、大きく差を広げられてしまった。
これで今季最後の3連戦が終わり、次戦は2週間後、12月3日〜5日、サウジアラビアGPが首都ジェッダの市街地コースで行われる。カタールGPに続いてF1初開催となるサウジアラビアGPは、チャンピオンを巡る重要な1戦となる。
2021年F1第20戦カタールGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)57周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+25.743s
3位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+59.457s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+62.306s
5位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+80.570s
6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+81.274s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+81.911s
8位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+83.126s
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)+1周
10位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+1周
・・・・・・・・・・・・・
11位10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)+1周
13位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周
2021年F1ドライバーズランキング(第20戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)351.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)343.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)203
4位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)190
5位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)153
6位 C.ルクレール(フェラーリ)152
7位 C.サインツ(フェラーリ)145.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)105
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)92
・・・・・・・・・
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)20
2021年コンストラクターズランキング(第20戦終了時)
1位 メルセデス 546.5
2位 レッドブル・ホンダ 541.5
3位 フェラーリ 297.5
4位 マクラーレン・メルセデス 258
5位 アルピーヌ・ルノー 137
6位 アルファタウリ・ホンダ 112