2021年11月28日、富士スピードウェイで開催されたスーパーGT選手権最終戦のGT300クラスで、2021年で4回目となるポールポジションからスタートしたSUBARU BRZ R&D Sportが3位でフィニッシュ。スバル車で初となるシーズンチャンピオンを獲得した。

タイトルを目指し今季4度目のポール獲得

ランキング首位の61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは予選Q2の土壇場でトップタイムをマーク、ポールポジションを獲得し初タイトル獲得へ一歩前進した。一方、ランク2位につける56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは17番手と振わず、後方からの追い上げを強いられることに。

決勝レースがスタートすると、トップの61号車BRZに2番手から52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTと3番手に60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTがピタリと続き、3台がワンセットとなり周回する。その後、中団の接触によりSC(セーフティカー)が導入されると、リスタートのタイミングで60号車スープラがトップに立ち、61号車BRZ、52号車スープラと続く。

ルーティンのピットストップで最初に動いたのは5番手走行の65号車LEON PYRAMID AMG、18周で入りロングランに強いブリヂストンタイヤで後半のアンダーカットを狙う。同じブリヂストンユーザーの52号車も翌周にピットへ向かった。2番手の61号車BRZは27周、トップの60号車スープラはその翌周にピットイン。

画像: 執念で獲得した山内英輝のポール、スタートドライバーの井口卓人が大事にBRZを運ぶ

執念で獲得した山内英輝のポール、スタートドライバーの井口卓人が大事にBRZを運ぶ

画像: 61号車BRZと同じダンロップタイヤを履く60号車スープラ

61号車BRZと同じダンロップタイヤを履く60号車スープラ

画像: AMG勢の争い、65号車はブリヂストンタイヤ、4号車はヨコハマタイヤ

AMG勢の争い、65号車はブリヂストンタイヤ、4号車はヨコハマタイヤ

過熱する争いが呼んだレース終盤の波乱

全車がピット作業を終えた段階での順位は、52号車、60号車のスープラ勢がワンツー、65号車と4号車グッドスマイル 初音ミク AMGのAMG勢が3番手と4番手。5番手88号車JLOC ランボルギーニ GT3の後方6番手に61号車BRZはポジションを下げる。

タイヤを労わってかペースを上げられない61号車BRZに、タイトル争いのかかった55号車 ARTA NSX GT3と56号車GT-Rが急接近。そして迎えた47周目の1コーナー飛び込みで、ブレーキングを遅らせた55号車NSXが61号車BRZをパス、しかし止まり切れずコースを横断する形で先行するGT500マシンにヒット。後にペナルティを課せられたこともあり大きく後退しタイトルの権利を失う。

アクシデントはこれだけで終わらなかった。アンダーカットを成功させトップを独走する52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTが51周目にパンク、さらに4号車AMGを交わし3番手走行の88号車ランボルギーニもパンクで大きく順位を落とす。

画像: 勢いに乗り追い上げる55号車NSXは、その勢いが余ってしまった

勢いに乗り追い上げる55号車NSXは、その勢いが余ってしまった

画像: 富士SWでは呪われている今年の埼玉トヨペット、TOYOTAのホームコースなのだが

富士SWでは呪われている今年の埼玉トヨペット、TOYOTAのホームコースなのだが

表彰台を獲得しタイトルを決定

これでトップに立った60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは最後まで走り切り、GT300クラス唯一となる今季2勝目を達成。2位には65号車LEON PYRAMID AMGが入り、そしてラスト2周で4号車AMGを抜いた61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが、3位でチェッカーを受けシリーズチャンピオン。新型BRZのデビューイヤーでSUBARUにとって念願のGT300クラス初制覇となった。

画像: 4号車AMGを61号車BRZが射程内にピタリとマーク

4号車AMGを61号車BRZが射程内にピタリとマーク

画像: 60号車スープラはこれで今季2勝、その速さに安定感を加え来年こそタイトルを

60号車スープラはこれで今季2勝、その速さに安定感を加え来年こそタイトルを

画像: BRZは3位フィニッシュでタイトルを決定、表彰台で華を添えた

BRZは3位フィニッシュでタイトルを決定、表彰台で華を添えた

スーパーGT最終戦 GT300クラス決勝結果

1位 60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2位 65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
3位 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
4位 4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
5位 56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J・P・デ・オリベイラ)
6位 25号車 HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉)
7位 244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)
8位 11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)
9位 52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
10位 10号車 GAINER TANAX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)
11位 34号車 Yogibo NSX GT3(道上龍/密山祥吾)
12位 2号車 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平)
13位 9号車 PACIFIC NAC CARGUY Ferrari(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)
14位 31号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
15位 87号車 グランシード ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)
16位 30号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(永井宏明/織戸学)
17位 21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太郎/篠原拓郎)
18位 6号車 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章)
19位 96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/小高一斗)
20位 35号車 arto RC F GT3(ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ)
21位 48号車 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/飯田太陽)
22位 360号車 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝之/田中篤)
23位 88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
24位 55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)
25位 5号車 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(平木湧也/平木玲次)
R 18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)
R 7号車 Studie PLUS BMW(荒聖治/山口智英)
R 50号車 ARNAGE AMG GT3(加納政樹/柳田真孝)

画像: 今季2度目の表彰台中央、吉本大樹(左)と河野駿佑(右)

今季2度目の表彰台中央、吉本大樹(左)と河野駿佑(右)

2021スーパーGT GT300クラス ドライバーランキング(上位10組)

1st 67pt 井口卓人/山内英輝(61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT)
2nd 55pt 藤波清斗/J・P・デ・オリベイラ(56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R)
3rd 49pt 吉本大樹/河野駿佑(60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)
4th 45pt 高木真一/佐藤蓮(55号車 ARTA NSX GT3)
5th 44pt 三宅淳詞/堤優威(244号車 たかのこの湯 GR Supra GT)
6th 43pt 蒲生尚弥/菅波冬悟(65号車 LEON PYRAMID AMG)
7th 38pt 平中克幸/安田裕信(11号車 GAINER TANAX GT-R)
8th 34pt 小暮卓史/元嶋佑弥(88号車 JLOC ランボルギーニ GT3)
9th 34pt 吉田広樹/川合孝汰(52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT)
10th 33pt 谷口信輝/片岡龍也(4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG)
※同ポイントの場合は上位入賞回数が多い順

画像: BRZ、いやスバルマイスターか、中央の井口卓人(左)山内英輝(右)

BRZ、いやスバルマイスターか、中央の井口卓人(左)山内英輝(右)

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