バーチャルでありながら刺激的なスーパーカー体験
インテリアは外観以上に、「未来のポルシェスポーツ」感が溢れている。ドライバーの眼前には、ホログラムディスプレイを配置。スパルタンなコクピットは、カーボンとチタン、さらに植物由来の素材を多用しているという。
このバーチャルマシンとドライバー=コントローラーをつなぐインターフェイスに関しては、デザイン的なリアリティだけでなくそれを「操る」感触にもこだわっている、とのこと。ステアリングホイールを操る感触がフィードバックされるコントローラーを介して、強烈なスポーツドライブ体験をダイレクトに味わうことができそうだ。
ポルシェデザインのDNAが、ここから磨き抜かれていく
量産車の開発、という制約から解放されたバーチャルワールドでのマシン開発は、ポルシェのデザインチームにも新たな発想と発見をもたらした。
ポルシェデザインチームのトップをリアルに務めているミハエル・マウアー氏は、この仮想世界を疾走するマシンの設計プロセスが「エキサイティングな可能性をもたらした」と語っている。
「このプロジェクトは、明確に定義されてきたポルシェデザインのDNAをさらに発展させるきっかけになりました。他の業界のデザイナーたちとの交流は、クリエティブなプロセスにおいて非常に価値のあるものです」
実際にポルシェは、さまざまなゲーム業界の企業体とのマーケティングミックスに積極的だ。仮想世界は高価で高性能なスポーツカーをより身近な存在に変え、そのパフォーマンスを操り、体感することまで可能にする。
それはある意味、ポルシェがもっとも重視している「サスティナブルなブランド体験」の創出へと、確かにつながっていくものなのだろう。
スーパーバーチャルマシン「ポルシェ ビジョン グランツーリスモ」は、2022年3月4日にリリース予定の、PS4/PS5向けソフト「Gran Turismo 7」に登場する。