2021年12月10日、運命の一戦、F1第22戦最終戦アブダビGPがヤス・マリーナ・サーキットで開幕する。決勝は12月12日、夕暮れ時から日没にかけてトワイライトレースとして行われる。2015年から7年間進められてきたホンダのF1プロジェクトもこれが最後のレース。そして、シーズン初めからレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンの間で繰り広げられてきたチャンピオン争いはこの最終戦で決着がつけられる。

オーバーテイクの機会を増やすことを目的にコースレイアウトを変更

アブダビGPの舞台となるヤス・マリーナ・サーキットは、アラブ首長国連邦のヤス島に建設されたレースコース。大規模なリゾート開発計画の一環として建設された。

コース形態は、2本のロングストレートと連続する90度コーナー、低速セクションを配された独特のもので、とくに低速時のトラクション性能を求められる。ただし、長いストレートがあるもののオーバーテイクは難しいという評判を受けて、2021年のグランプリ開催に向けてターン5前にあったシケインをなくしてヘアピンを広くしたり、複数の低速コーナーをひとつの長いバンクターンにするなどのコース改修が行われている。

これによリサーキットの全長は273m短縮され、周回数も従来の55周から58周に増加、オーバーテイクの回数が増えると予想されるが、これでレースがどう変わるか興味深いところだ。なお、アップダウンはほとんどなく、またコース幅が広くエスケープゾーンも多いため、セーフティカー導入は少ない。

コース設定でもうひとつ特徴的なのはピットロード。ピットを離れた後、コースの地下をくぐり抜けてから本線に合流する形となる。これによりピットレーンの全長は長く、タイヤ交換のためのタイムロスも通常より長くなる。しかも狭いトンネルは滑りやすく注意が必要だ。

決勝は日没前にスタートし、その後完全な夜間走行となる、いわゆるトワイライトレースとして行われる。レース終了後に花火が打ち上げられ、シーズン最後を彩ることでも有名だ。

この時期のアブダビの平均気温は28度。平均路面温度は31度だが、夜間に向けて路面温度の低下が著しいため、タイヤマネージメントが重要となる。F1の歴史上初めてトワイライトレースが開催されたのはこのアブダビだった。砂漠から飛来する砂で滑りやすいセクションもあるが、雨の心配はほぼない。

画像: ヤス・マリーナ・サーキットの新しいコースレイアウト。シケインや低速コーナーが廃止され、より高速なレイアウトに改修されている。

ヤス・マリーナ・サーキットの新しいコースレイアウト。シケインや低速コーナーが廃止され、より高速なレイアウトに改修されている。

画像: 2020年までのヤス・マリーナ・サーキットのコースレイアウト。オーバーテイクポイントの機会が少なく、ユニークなピットロードもあって、1ストップでなければ勝てない状況だった。

2020年までのヤス・マリーナ・サーキットのコースレイアウト。オーバーテイクポイントの機会が少なく、ユニークなピットロードもあって、1ストップでなければ勝てない状況だった。

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