トヨタ アベンシス(2011年:フルモデルチェンジ)
トヨタ車でありながら欧州育ち。イギリスで生産されるミドルサイズのセダン&ワゴンがアベンシスだ。2008年まで日本に輸入販売されていた先代は2代目にあたる。そのアベンシスが3代目の新型となって再度上陸。今回はワゴンボディのみのラインアップとなった。だが、国産車では絶滅寸前のミドルクラス ワゴンが本場欧州から届いたことは、ファンにとって朗報に違いない。
激戦区の欧州Dセグメントで戦うアベンシス。最大のライバルは大きめのボディの実用性重視という点でズバリ、フォルクスワーゲンのパサートだ。こちらは軽い車体にダウンサイジングされた高効率のターボエンジン、さらにパワーロスが少ない7速DSG(DCT)を組み合わせたパワートレーンを持つ最新作だ。
一方のアベンシスは、パサート ヴァリアントと同じ1470kgの軽量ボディに、自然吸気の2L バルブマチックエンジンを積んで迎え撃つ。搭載されるトランスミッションは7速シフトマチック付きスーパーCVTiだ。最高出力152ps/最大トルク196Nmのエンジンスペックはミニバンのノアなどと同じながら、ボディは格段に軽い。だからバルブマチック特有の低速トルクがさらに生きる。初速の「乗り」が意外なほど力強く、高回転の吹けもパンチはほどほどながら極めてスムーズだ。
このCVTはステアリングのパドルによる操作も可能で、6400rpmのレブリミットでシフトアップすると、ちょうど1000rpm刻みで素早くリズミカルに速度を乗せる。さらに、スポーツモードではDレンジまかせでも高回転域をキープし、軽快なレスポンスも楽しめる。一方、ノーマルモードでは早めにプーリー比を変え、低回転域を多用する燃費指向の設定だ。これらを取り混ぜた走りをしても燃費計は常に10km/L台をキープしていたから、燃費性能も合格といって良いだろう。