「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ アベンシスだ。

車内の広さや荷室の使い勝手は二重丸だ

画像: インパネは豪華ではないがスッキリとしたシンプルなデザイン。ステアリングにはパドルも備わる。

インパネは豪華ではないがスッキリとしたシンプルなデザイン。ステアリングにはパドルも備わる。

足まわりは、先代ほど強烈な接地感はなく、ライトな足さばきだ。ステアフィールも軽い。乗り心地と取りまわし性を考慮したのだろうが、欧州車らしさは薄れた。ロールの立ち上がりが少しグラリとくるところにもそれは表れている。しかし、この初期ロールを過ぎるとグッと踏ん張りが出て、フラットなコーナリング姿勢を維持する。そんな時の粘り腰はさすが欧州育ちだ。

短めのノーズとロングキャビン、テールエンドもなだらかに引き下ろした新型アベンシス。一見するとスタイル重視のようだが、室内は驚くほど広い。やや低めのドライビングポジションながら、フロント/リアともに余裕たっぷり。インテリアも豪華ではないが、トヨタらしいていねいな作りだ。

ラゲッジルームの広さも圧巻だ。フロアの奥行き/幅ともクラス最大級だし、リアゲートの開口部も大きく、段差がまったくない。さらに、床下にも巨大な収納もありと、使い勝手はパサートと同等、もしくはそれ以上と断言できる。リアシートはシングルフォールド式。たたんだ時にわずかに角度が残るが、センタースルーで長尺物の収納も可能など、日常生活の中で必要な使い勝手はキッチリと押さえてある。

欲を言えば、手で出し入れをする必要があるトノカバーを、欧州車ではすでにスタンダードになっているリアハッチの開閉に合わせて開くタイプにしたり、電動パワーゲートの設定があればベストだ。しかし、それはこのクルマが欧州では2008年にデビューしたことにも関係している。3年前に登場しながら、最新のパサートに迫る走りと実用性を備えているのは立派だと言えるだろう。

画像: リアコンビランプにはLEDを採用。急減速などの際にストップランプを点滅させて後続車に危険を知らせる、緊急シグナルブレーキも標準装備。

リアコンビランプにはLEDを採用。急減速などの際にストップランプを点滅させて後続車に危険を知らせる、緊急シグナルブレーキも標準装備。

■トヨタ アベンシス Xi 主要諸元

●全長×全幅×全高:4765×1810×1480mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1470kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1986cc
●最高出力:112kW<152ps>/6200rpm
●最大トルク:196Nm<20.0kgm>/4400rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:13.6km/L
●タイヤ:205/60R16
●当時の車両価格(税込):250万円

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