未来を見据えた、内容の濃いコンテスト
現在の電気自動車(BEV)を取り巻く状況は前回このコンテストが開催された2019年とは大きく変わった。3年前はまだ世界の自動車メーカーは具体的なEV戦略を発表していなかったが、現在はほぼすべてのメーカーが新たなEV投入の時期や台数などを明示している。自動車業界はまさに「100年に一度の大変革期」に足を踏み入れたと言っていいだろう。
こうした動きにビビッドに対応したのがAPEVで、コンテストの評価軸を従来の「スタイリングの完成度+コンセプトのストーリー性」から「近未来(2040年)の社会デザイン(課題発掘)+コンセプト(解決策)+デザイン(説明としてのビジュアル)」へと変更した。
コンテストに参加する学生たちに「2040年にはどのような社会的な課題があり、それをEVやCASE、MaaSなどモビリティ全般でどう解決できるか」をイメージして、それを発表して欲しいというわけだ。
また注目したいのはコンテストの協賛企業だ。デル・テクノロジーズや日本アイ・ビー・エムなどのIT企業やソフトバンクとトヨタ自動車が手を組んだことで話題となったNONET Technologiesなど2040年のモビリティ社会を中心となって支えるであろう企業が名を連ねている。
そして、審査の過程でこれらの協賛企業によるワークショップを学生が受けられるという。これは就職活動にも大いに役立ちそうだ。
開催概要は以下のとおりだが、詳細についてはコンテストのホームページ(2月に2022年版に改訂予定)で確認して欲しい。
■APEV:国際学生「社会的EV」デザインコンテスト2022 開催概要
・エントリー開始:2022年2月初旬
・最終審査:2022年10月下旬
・エントリー費:無料
・参加資格:2022年4月時点で18歳以上の学生(1名もしくはチームも可。学校をまたがるチーム編成も可)
・賞典:最優秀賞(賞状+20万円)/経済産業大臣賞(賞状+10万円)/国土交通大臣賞(賞状+10万円)/協賛団体賞(賞状+物品など)