DSオートモビルズが2016年に発表したミッドシップEVスポーツ「E-テンス(E-Tense)」が、新たな装いとさらに進化した技術をまとって現代に復活した。かつての「コンセプト」は「プロトタイプ」へと進化し、圧倒的なパフォーマンスアップを果たしている。果たして、リアルな市販化はありうるのだろか。

「このまま市販できそう」なスポーツモデルが再登場

2016年のジュネーブショーにおいて、DSオートモビルズは1台のスタイリッシュなスポーツコンセプトを出品し、話題を集めた。

画像: 2016年式のDS E-テンスは全長4720×全幅2080×全高1290mm。車両重量は1800kgと発表されていた。

2016年式のDS E-テンスは全長4720×全幅2080×全高1290mm。車両重量は1800kgと発表されていた。

画像: 2016年式のDS E-テンス。ナンバーがついていると、もはや市販モデル。タイヤは前245/35ZR20、後305/30ZR20だ。

2016年式のDS E-テンス。ナンバーがついていると、もはや市販モデル。タイヤは前245/35ZR20、後305/30ZR20だ。

「E-Tense」と名付けられた2シータークーペはミッドシップライクなフォルムを持ちながら前後に電気モーターを搭載した4輪駆動モデルである。最高出力402ps/最大トルク516Nmから最高速250km/h、0→96mph(約155km/h)加速4.5秒という高性能ぶりを発揮していた。

デザイン性はもとより細部の仕上げに至るまで「このまま市販できそう」な完成度を誇ったが、結局、市販化にまつわるニュースは現在に至るまで発表されていない。ただし、そのネーミングはDS3やDS7の電動化モデルへと受け継がれ、デザインもフロントまわりのアレンジなどが「新世代DSの顔」として定着している。

もはやハイスペックなスポーツモデルとしての市販化は夢のまた夢・・・かと思われたE-テンスだが、ここへきて再びピュアスポーツカーへの道を模索しはじめた、ということだろうか。2022年に復活した「E-テンス パフォーマンス」は改めて、マッシブな2シータースポーツクーペとして登場した。

NFTのオークションモデルは、0→100km/h加速がわずか2秒

エクステリアデザインを見れば、E-テンス パフォーマンスはかつての「コンセプト」よりもさらにコンセプトカー的だ。

画像: 2016年式と比べると、2022年式E-テンス パフォーマンスは、フロントマスクが極めてショーカー的。

2016年式と比べると、2022年式E-テンス パフォーマンスは、フロントマスクが極めてショーカー的。

画像: 一方でリアまわりのデザインは、2016年式と大きく変わっていないように見える。ホイールは21インチと、さらに大径化。

一方でリアまわりのデザインは、2016年式と大きく変わっていないように見える。ホイールは21インチと、さらに大径化。

全体のシルエットやフェンダーまわりのアレンジ、リアビューなど、基本デザインはコンセプトを受け継ぐ。一方で大胆にカットされたヘッドライトまわりなどは、あえて「ショーカー」的にふるまっているようにも見える。

ボディサイズなど細かい情報は極めて限られており、明らかになっているのはほんのわずか。カーボンモノコックに前後2モーターを搭載した4WDで、システム最高出力は815ps、最大トルクは実に8000Nm(入力ミスではない)に達するという。

バッテリーEVとしてのイノベーションを感じさせるのは、ツインモーター、バッテリーなどのソリューションだろう。それらは、フォーミュラEで得られた経験と知見をもとに開発された。サスペンションジオメトリについても、レースシーンで磨かれた極上のグリップ性能が達成されているという。

市販についてはまったく触れられていないものの、NFT(非代替性トークン)としてオークションに出品されることが決定している。「100 DS E-TENSE PERFORMANCE 100 Series – 100% Electric」と名付けられた販売モデルに至っては、0→100km/hがわずか2秒と謳われている。

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