リアルなパフォーマンスデータもやがて明らかに
バーチャルだけなくリアルでも、随所に今後のDSブランドモデルに投入される可能性の高い装備や技術が盛り込まれていることも確かだ。
トタル・エナジーズとその子会社との共同開発によるバッテリーは冷却性能に優れ、出力や再生効率の向上を実現している。走行性能だけでなく、たとえばオーディオにFOCALのユートピアサウンドシステムを搭載するなど、実用車としてのクオリティアップにも着目しているところが興味深い。
DSパフォーマンスの開発チームはこのE-テンス パフォーマンスを、「走る実験室」と位置付けている。だが実車によるテストは、クローズドのトラックコースだけでなく、公道でも予定されているという。
テストを担当するのは、フォーミュラEチャンピオンであり、E-テンスアンバサダーを務めるジャン=エリック・ヴェルニュとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。その過程で、リアルなモデルのパフォーマンスデータも明らかにされるようだ。
E-TENSEの新たなフラッグシップカーへの期待値、高まる
かつてコンセプトカー「DS エアロ スポーツラウンジ」で提案されたフロントマスクの新たな表現や、800個のLEDで構成されたデイタイムライト、見る角度によって輝きや色味が変化するカラーエフェクトなど、E-テンス パフォーマンスには注目すべき個性が多々ある。
とはいえこのモデルはあくまで、極めて高度な「ソリューション開発」を担うことになる実験車であって、市販可能性はおそらく低い。それでもここまで魅力的なたたずまいを目の当たりにしてしまうと、「E-TENSE」というブランドのこれからを先導する新たなフラッグシップモデルとして、リアルデビューにもついつい期待してしまいたくなるのだった。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久)