「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ エティオスだ。

トヨタ エティオス(日本未導入:2011年)

画像: セダンはハッチバックより全長もホイールベースも長いが、フロントまわりの顔つきなどは同じデザインを採用している。

セダンはハッチバックより全長もホイールベースも長いが、フロントまわりの顔つきなどは同じデザインを採用している。

中国に次ぐ、いやそれ以上の自動車マーケットとして注目されている国がインド。2000年から本格参入したトヨタは2010年末に量販セグメントの「エティオス」を発売して好評を博している。そんなエティオスとハッチバックのエティオス リーバに、テストコースで日本で試乗する機会が得られた。

インドの自動車保有率は、1000人あたり16台。日本の593台に比べるとこれからといった数字だが、なんといっても現在(編集部註:2011年)の人口は12億1000万人。中国のようなひとりっ子政策は採っていないため、一説によると2026年には中国を抜いて人口世界一になると予想されている。

この状況を世界の自動車メーカーが放っておくわけがない。インドの自動車市場といえば、スズキが乗用車シェア50%以上を占めているが、その牙城を崩すべく世界中のメーカーが本腰を入れて参入し始めている。トヨタも然りで、前回デリー モーターショーで発表した、BRICS国専用車のエティオスを投入し、気を吐いている真っ最中だ。

さて、インドの交通事情は日本とまったく違う。隣りのクルマとの車間は3cm! 3車線道路を6台で並走するなんていうのは当たり前。高速道路だというのにラクダや牛が寝ていたりもする。道路の数も少なく、ガタガタの未舗装道路も多い。したがって、クルマは壊れて当然、すぐ直ればOKという感覚だ。スズキは多数のディーラー網を備えることで対応しているが、トヨタは拠点数が少ないため、壊れないことをアピールする作戦を取っている。エティオスの下まわりを防錆鋼板で覆っているのも、壊れない対策のひとつだ。

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