ほぼオプションレスの素モデルのV60に1カ月乗ることに
今月(編集部註:2019年9月)は、V60 T5モメンタムという興味深いモデルに1カ月間試乗できることになった。これまで、興味はあったが「素モデル」に試乗することは稀だった。それが今回、乗れるというのだから飛びつかない理由はない。では、このモデルのなにが興味深いかというと、ほとんどオプションが装着されていないということ。
もともとV60、いやこれはボルボ車全般に言えることだが、オプションの設定が少なく、必要なものがほとんど標準装備化されている。ボルボ・カー・ジャパンの方針としてADASも、標準装備されていてオプションではないのだ。
インスクリプションとモメンタムどこが違うのか?
では、同じT5でもインスクリプションとモメンタムでどこがどう違うのか。当然、エンジンやトランスミッションなどのパワートレーンは同一だ。安全装備面もADAS(先進運転支援システム)をパッケージにした「インテリセーフ」に、この2グレードで違いはない。これも安全のボルボならではである。だからボルボ車はどのグレードに乗っても安心して運転ができるのである。
違いは主に、快適装備にある。モメンタムにはシートヒーター、シートベンチレーション、マッサージ、キーレスエントリー、助手席パワーシートなどが装備されず、ホイールサイズが17インチでデザインが違うなどである。
つまり、ここに掲載した写真を見てもわかるとおり、外観上の違いはグリルやテールパイプなどの差別化の他はほとんど見られなく、快適装備関連に少し違いがある程度なのだ。ホイールデザインにしてもこちらが好みだとう人もいるはずである。私も実は、このデザインが好きである。
それなのに価格差は101万8519円。これを見てもT5モメンタムがいかに魅力的なのかがよくわかる。実際に長期にわたり試乗しても走行パフォーマンスに大きな違いは感じられなった。
ところで最近は車内でApple Musicで音楽を聴いているが、意外だったのは、標準オーディオの音がいいことだ(失礼!)。
ボルボは、サウンドにこだわりBowers&Wilkinsやharman/kardon がオプション設定されているが標準のハイパフォーマンスオーディオシステム(170kW/10スピーカー)もかなりの実力の持ち主である。これは新鮮な発見だったことも最後に加えておく。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)
ボルボ V60 T5モメンタム 主要諸元
●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:1700kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:187kW(254ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm/1500-4800rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●JC08モード燃費:12.9km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●車両価格(税込・当時):499万円