ラリー・モンテカルロとはまったく性格の異なるイベント
ラリー・スウェーデンは雪と氷に覆われた森林地帯の未舗装路を走行する今シーズン唯一のスノーイベント。ドライバーは金属製のスタッド(スパイク)を埋め込まれた特殊な雪道専用のタイヤを装着して走行、雪壁に囲まれたスノー路面をハイスピードで駆け抜ける。ツイスティなターマックで行われるラリー・モンテカルロとはまったく性格の異なるイベントで、例年北欧出身のドライバーが活躍する。
開幕戦ラリー・モンテカルロでは、Mスポーツ フォードのセバスチャン・ローブが優勝、2位にトヨタのセバスチャン・オジェが入っているが、ともに今回のラリー・スウェーデンには不参加。かわって、スノーイベントを得意とするヒョンデのオイット・タナック、ティエリー・ヌーヴィル、トヨタのエルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラ、エサペッカ・ラッピらが中心となって優勝争いが繰り広げられそうだ。
ちなみに、2021年は新型コロナウイルスの影響によりラリー・スウェーデンは中止となったが、その代替スノーイベントとして行われたアークティック・ラリー・フィンランドでは、ヒョンデのオィット・タナックが優勝、2位にはトヨタのカッレ・ロバンペラ、3位にはヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが入っている。
【参考】2021 WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランド 結果
1位:O.タナック(ヒョンデ i20クーペ WRC)2h41m37.5s
2位:K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)+17.5s
3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20クーペ WRC)+19.8s
4位:C.ブリーン(ヒョンデ i20クーペ WRC)+52.6s
5位:E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)+1m01.5s
6位:勝田貴元(トヨタ ヤリス WRC)+1m37.8s
7位:O.ソルベルグ (ヒョンデ i20クーペ WRC)+1m39.0s
8位:T.スニネン(フォード フィエスタ WRC)+2m09.0s
9位:G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+3m39.4s
10位:E.ラッピ(フォルクスワーゲン ポロGTI R5)+6m07.0s
ハイブリッドユニットを搭載する新開発の「ラリー1のマシン」のパフォーマンスにも注目。デビューイベントとなった開幕戦のラリー・モンテカルロでは、多くのドライバーがメカニカルトラブルや難しいコンディションに苦しむ中、Mスポーツ フォード プーマ ラリー1が1位と3位を獲得。2021年までの「トヨタとヒョンデの2強対決」という図式は塗り変わるのか、注目が集まっている。
【参考】2022 WRC開幕戦ラリー・モンテカルロ 結果
1位:S.ローブ(フォード プーマ ラリー1)3h00m32.8s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+10.5s
3位:S.ブリーン(フォード プーマ ラリー1)+1m39.8s
4位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m16.2s
5位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+6m33.4s
6位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1)+7m42.6s
7位:A.ミケルセン(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+11m33.8s
8位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+12m24.7s
9位:E.カイス(フォード フィエスタ ラリー2)+12m29.2s
10位:N.グライジン(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+13m41.3s
サービス拠点を雪の多いスウェーデン北部に変更
2021年が中止となったため2年ぶりの開催となるラリー・スウェーデンは、開催地をこれまでのトルシュビーから北に移動。スウェーデン北部最大の都市ウーメオーを中心に、より厳しいウインターコンディションでの戦いとなることが予想される。
ラリーは2月24日にシェイクダウンが行われ、25日から競技がスタート。初日はウーメオーの北側エリアで3本のスペシャルステージを各2回走行。2日目の26日はウーメオーの西側エリアで2本のステージを各2回走行し、ウーメオーでも11.17kmのステージを各2回走行する。
そして最終日の27日は、ウーメオーの北西で2本のステージを各2回走行。最終ステージは、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全部で19本、ステージ総走行距離は305.7kmが予定されている。