優雅なXFに加えられた「R」らしい演出とパフォーマンス
ニューXFのフラッグシップモデルとして、新たに設定された「XFR」。そのフロントマスクには、クロームに輝くメッシュのアッパーグリルと黒メッシュに仕上げられたロワーグリル、その左右下側のクロームの枠を備えたやはり黒メッシュ仕上げのエアインテークが採用された。
そして、ボンネット上部にはXKRと同様に大型のルーバーが左右に配され、さらに20インチサイズという大径のツイン形状7本スポークホイール、専用のサイドシルエクステンション、トランクリッド後端の小ぶりなスポイラーや4本出しマフラーを包み込むリアバンパーデザインなどで、優雅なXFのデザインに「R」らしい演出が加えられている。
室内へ乗り込んでみると、「R」ロゴが入れられた新デザインの前後シートに目を奪われる。メーターパネルでは、速度計と回転計の指針が赤いものとなっていることに気が付く。ハンドルのスポーク部にも「R」のロゴが入る。
エンジンスタートボタンを押し、5.0L V8スーパーチャージドエンジンを始動させる。アイドリング時のサウンドは室内では静かだが、アクセルペダルを踏み込んでスタートさせると、力強くいかにもV8エンジンらしい音を響かせながら走り出した。
そのハンドリングはしっとりとした感触で、とてもいい。XFRにはクイックレシオのステアリングラックが装着されていることの効果でもあるのだろうが、ハンドルの操作に対してクルマの動きがごく自然なものに感じられる。ワインディング路に入っても、ハンドルを操作する手のひらの動かし方に沿った挙動が感じられて、何だかとても気持ちいい。
トルクコンバーターがアップグレードされ、クラッチプレートが追加されるなどの改良が施されたZF製の6HP28型6速ATは、最大トルク625Nm、最高出力510psのエンジンパワーをスムーズにリアタイヤへと伝える。パドルシフトも備わるが、Sモードの賢さは相変わらず素晴らしく、ちょっとスポーティに走りたいといったレベルであれば、ATに変速操作を任せたままの走りで十分な適応ぶりを示してくれる。