世界に名だたるオフローダー ブランドといえば、アメリカの「ジープ」と英国の「ランドローバー」が、その筆頭に挙げられる。毎年2月に開催されるメディア向け「JAIA(日本自動車輸入組合)輸入車試乗会」で、その2ブランドの最新モデルに試乗することができた。

アメリカン ラグジュアリーの世界を感じさせる「グランドチェロキーL」

画像: 3.6LのV6ガソリンエンジンは、全長5.2mもの巨躯を過不足なく走らせてくれる。

3.6LのV6ガソリンエンジンは、全長5.2mもの巨躯を過不足なく走らせてくれる。

続いては、ジープの最新モデルである「グランドチェロキー L」。グランドチェロキーはジープブランドのフラッグシップだが、10年ぶりとなる今回のフルモデルチェンジで3列シート仕様の「グランドチェロキーL」を新たに追加。日本市場においても2021年末に発表、2022年2月に発売された。

今回の新型で第5世代となったグランドチェロキーL。そのエクステリアデザインは、1963年に誕生したラグジュアリーSUVの草分けであるジープ「ワゴニア」のテイストを継承しているという。ボンネット前端が出っ張る逆スラントのグリルは、ワゴニアからインスパイアされたもの。

また、ウッドとレザーにメッキを配したインテリアは、豪華さだけでなく、古き良き伝統のようなものも感じさせる。まるで暖炉のある豪華なコテージを彷彿とさせる。このゆったりとした安心感こそが、アメリカ車ならではのラグジュアリーの世界なのだろう。

しかも、3.6L V6ガソリンエンジンはスムーズでパワフル。今となっては、逆に少数派になりつつある大排気量のV6エンジンのフィーリングも、ほっとさせてくれるものがある。けっして新しくはないけれど、かといって悪いわけでもない。全長5.2mの巨躯を過不足なく走らせてくれる。

実際、以前のグランドチェロキーは、LサイズSUVとしては売れ行きがよかったという。個人的には、その魅力は、コスパの良さにあったと思う。新型グランドチェロキーLは、エントリーグレードが788万円、上位グレードが999万円と、けっして安いクルマではない。

けれど雰囲気や車格を考えれば、意外と、というか、相当にコスパが良いといえるだろう。伝統と現代の最新機能を融合しつつ、ゆったりとした安心感を与えてくれるグランドチェロキーL。新型も人気を集めるのは間違いないと思われる。

今回、試乗した2台のSUVは、どちらも同じLサイズであり、価格帯も近い。また、オフロードを得意とするSUV専門ブランドというところも同じだ。ところが、乗ってみれば、モダンさを指向する「ディフェンダー」と、トラディショナルな「グランドチェロキーL」と、まったく異なった個性を見せくれた。この振り幅の大きさこそが、輸入車の魅力と言えるだろう。(文:鈴木ケンイチ/写真:Webモーターマガジン編集部)

画像: 日本仕様のグランドチェロキーLは、試乗車のサミットリザーブとエントリーグレードのリミテッドを設定。

日本仕様のグランドチェロキーLは、試乗車のサミットリザーブとエントリーグレードのリミテッドを設定。

■ジープ グランドチェロキーL サミットリザーブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm
●ホイールベース:3090mm
●車両重量:2250kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:210kW(286ps)/6400rpm
●最大トルク:344Nm(35.1kgm)/4000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・87L
●WLTCモード燃費:7.7km/L
●タイヤサイズ:275/45R21
●車両価格(税込):999万円

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