2022年3月、パナソニック エコシステムズは神戸淡路鳴門自動車道の舞子トンネルに、トンネル換気システム「ジェットファン」を納入し、その生産累計2000台を達成した。同社は1968年に富山県と石川県の県境に位置する倶利伽羅(くりから)トンネルに「ジェットファン」を初めて納入して以来、半世紀以上にわたって道路トンネルの換気事業に取り組んでいる。

都市部の地下トンネル化や大規模修繕に貢献

画像: ジェットファンのはたらき

ジェットファンのはたらき

ジェットファンは、当初山岳トンネルを中心としたトンネル内の煤煙濃度を下げ、ドライバーの視界を確保するために開発された。平均で風速35m/秒という台風並みの換気風を発生させ、クルマによる排出ガス(煤煙や一酸化炭素)などをトンネル外へ排出、トンネル内へ新鮮な空気の流入を促進させることで、安全で快適な走行環境を提供している。また、火災時に煙の流れを制御して避難経路を確保する排煙制御としても用いられている。

画像: トンネル換気システムの仕組み

トンネル換気システムの仕組み

近年、自動車による排気ガスを浄化するシステムの性能向上を図られている一方で、都市内の高速道路の地下トンネル化も進んでいる。そこで、電気集塵機(自動車の排出ガスなどに含まれる粉塵を捕集する設備)や脱硝装置(トンネルから排出される空気に含まれる二酸化窒素をハニカム状の吸収剤を利用して化学反応により除去する装置)などと併せて納入することで、トンネル内と周辺地域の環境改善に貢献するトータルソリューションとして展開している。

さらなる安全性や経済性の向上、点検やメンテナンスのしやすさなどを追求し、2014年には軽量型ジェットファンを開発した。吸音材や羽根の形状などを見直すことで、発生騒音の基準値を保ち、規定風量と強度を確保しながら機体を短くすることに成功し、幅は4.25mから2.5mに短縮し、重さも2.0トンから1.5トンへ約25%の軽量化を実現している。

画像: 性能はそのままに、幅が短縮され軽量化されたジェットファンの進化。

性能はそのままに、幅が短縮され軽量化されたジェットファンの進化。

日本国内だけなく、2004年にはベトナム向けにジェットファンを含む換気設備を納入している。2019年3月には、1つの件名としては過去最多の台数となる78台のジェットファンを都市部の地下トンネルである阪神高速6号大和川線に納入した。

日本各地における都市計画道路の整備や、トンネル換気システムの老朽化による大規模更新・修繕事業は今後も続くとみられている。同社では、これからもジェットファンをはじめとした機器開発、設計、製作、エンジニアリングの一貫したトンネル換気ソリューションで、社会インフラの整備に貢献していくという。(写真と図版:パナソニック エコシステムズ)

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