2022年3月17日、ステランティスジャパンはDS(DSオートモビル)ブランドのフラッグシップセダン「DS9」を発表した。ガソリンエンジン搭載モデルと、PHEV(プラグインハイブリッド)をラインナップする。
DS9はラグジュアリーサルーン。Eクラスやレクサス ESがライバルか
シトロエンのサブブランドとして始まり、2015年にフランス流ラグジュアリーを表現するひとつのブランドとして独立した「DS」は、現在DS3クロスバックやDS7クロスバックというふたつのSUVラインナップで構成されている。過去コンパクトハッチバックを用意することもあったが、一般的なラグジュアリーブランドに多い「大型セダン」はこれまで登場してこなかった。
そして今回、ついにラグジュアリーサルーン「DS9」が日本市場で発表された。
ボディシルエットは4ドアクーペのように低くなだらかなルーフラインを描く流麗なスタイルであるが、実はトランクリッドを採用するコンベンショナルな3ボックスセダンということになる。このトランクリッドはダックテールスポイラーのような形状を取り入れてスポーティさを感じられるもの。
これまでのDSモデルになかったトピックといえば、ボンネットフードを前後縦に貫くシルバーのラインだ。このクローム装飾は、サーベルの意味を持つ「セイバー」と呼ばれ、フラッグシップらしい格式の高さを感じられるもの。しかもセイバーの表面には、パリの石畳をモチーフとし、ピラミッド状の小さな突起を無数に配列するクル・ド・パリ模様を施されている。
こうしたクロームの装飾はボディ各部へふんだんに散りばめられ、フロントグリルやヘッドライトまわり、サイドウインドウを囲うモール類、リアエンドにも配置される。テールランプ下からリアフェンダーにつながる装飾は、ボンネットと同様に「セイバー」と呼ばれる。
ボディサイズは堂々としたもので全長4940×全幅1855×全高1460mmと、メルセデス・ベンツ EクラスやBMW 5シリーズ、レクサス ESなどをライバルとするEセグメントに分類される。プラットフォームはDS7クロスバックにも用いられている「EMP2」をバージョンアップさせて採用、これによって大きなボディサイズだけでなくホイールベースを2895mmに伸ばし、室内空間の拡大にも寄与するという。とくにリアシートのひざ下レッグスペースは277mmと余裕たっぷりである。