クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ジープ コンパス リミテッドを紹介していこう。もう長いことこの企画を担当しているが、月間走行距離がドンピシャの値だったのは今回が初めてだと思う。偶然とはいえ、何か良いことがあるのかもしれない。(Motor Magazine 2018年3月号より/ここで紹介するジープコンパスは2021年6月に大幅改良される前のモデルです)

20cmの積雪でもジープならではの安心感

2.4Lの自然吸気マルチエアSOHCエンジンに、9速ATを組み合わせた4WDモデル。それが新型コンパスの最上級グレード「リミテッド」のパワートレーンである。そしてこのモデルのJC08モード燃費は9.6km/L。そうこれもまた「たまたま」なのだが、MMコンパス号の今回の実燃費値と同じなのだ。何とも不思議な一致である。

さて先日、東京都内でも20cmの積雪に見舞われて、道路交通でも多くの障害が発生した。そんな中、MMコンパス号は何の不都合もなく、雪の東京都内から近郊をスムーズに走り抜けてみせた。

もちろん、スタッドレスタイヤ(グッドイヤー/アイスナビSUV)をちゃんと装着しているのは当然のことなのだが、深夜に凍結路面の首都高速都心環状線を走行した時に、なるほどこれが「ジープ」ブランドならではの安心感なのかと思わせてくれたことがあった。それは、通常のオンロード走行時だと少しまったりとした反応に思えるものが、こうしたコンディション下だと、まさにちょうどいい具合のレスポンスを示してくれているのだと理解できたのだ。

路面状況に応じて選ぶことができるセレクテレインシステムのダイヤルは、当初はオートモードのままで走行していた。だが途中から積雪も多くなり、凍結の割合も増したので、ダイヤルを回してスノーモードを選択。4WDロックボタンもオンにして不意の変化に対応しやすいようにした。ところが、いやはや何とも呆気なく、目的地に到着したのであった。

画像: 積雪となった東京都内。走行2500kmを超えたあたりからMMコンパス号の動きに、当初には感じなかった滑らかさが加わってきた印象だ。加えて燃費も向上してきており、楽しさがより増している。

積雪となった東京都内。走行2500kmを超えたあたりからMMコンパス号の動きに、当初には感じなかった滑らかさが加わってきた印象だ。加えて燃費も向上してきており、楽しさがより増している。

ウインターシーズンはまだこれからが本番であり、MMコンパス号も雪山方面への取材予定がけっこう入っている。今回の経験から考えると、運転する人間が過信さえしなければ、まず問題なく任務を遂行してくれることは確実だろう。そして最低地上高180mmという値は雪道走行時にも大きなメリットがあることも実感できた。

しかし、MMコンパス号の出で立ちは艶(あで)やかだ。サラリーマンが主役を務める街、新橋を走っていると、まるでスーパーカーを見るかのような熱い視線を浴びることが多い。ボディカラーのせいもあろうが、自由さを備えた存在感が眩しいのかもしれない。

画像: ブラック仕上げのレザーシートがリミテッド標準仕様。前席はシートヒーター付き。

ブラック仕上げのレザーシートがリミテッド標準仕様。前席はシートヒーター付き。

■第2回/2018年12月19日〜2019年1月24日(2カ月目)のデータ
・オドメーター:2779km
・走行距離:1000km
・給油量:104.7L
・実燃費:9.6km/L

ジープ コンパス リミテッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×1810×1640mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1490kg
●エンジン:直4 SOHC
●総排気量:2359cc
●最高出力:129kW(175ps)/6400rpm
●最大トルク:229Nm(23.4kgm)/3900rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・60L
●JC08モード燃費:9.6km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):419万円(当時)

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