フルモデルチェンジしたレクサスのフラッグシップSUV「LX」はどのような進化を遂げたのか。レクサスならではの、圧倒的なパフォーマンスと上質な走りはどう実現されているのか。オフロードとオンロードの両方で試してみたが、まずはオフロードコース試乗の印象を報告しよう。

成約者向けに、このオフロードコース走行体験プログラムも用意か

特筆したいのは、「走破することができた」のではなく、「快適に安心して走破することができた」ことだ。そして終始、守られているという安心感がとても強く感じられた。ちなみにLXの最大安定傾斜角は44度、登坂能力45度、最大渡河性能700mmとなる。これは従来と同様の性能を維持している。

とくに印象的だったのは、クロールコントロール。このスイッチを押して速度設定すれば、「こんな場所を走るの?」と通常なら不安になったり躊躇したりするような場所でも、ドライバーはハンドル操作するだけで、駆動力やブレーキを自動制御してくれるので楽々と進んで行くことができる。

その進み方も恐怖を感じるような「急加速」や「急ブレーキ」などは一切ない。クロールコントロールは速度を1〜5km/hで設定できるが、たとえば5km/hに設定したらずっと5km/hで走るのではなく、0→5km/hまで徐々に、そして自然に加速していくのである。そうしたことからも安心感が感じられるのである。

画像: 過酷なオフロードコースを走ることで、LXのポテンシャルの高さを実感することができた。試乗車はLX600オフロード。

過酷なオフロードコースを走ることで、LXのポテンシャルの高さを実感することができた。試乗車はLX600オフロード。

また悪路走破時の運転姿勢の変化の少なさも印象的だ。これがただ悪路を走破できるということではなく、「楽に」とか「上質に」ということなのだろう。

さらに凄いのは、このクロールコントロールは後退時にも使えることである。その作動も実にスムーズ。かなり使える装備と言えるだろう。オフロード、滑りやすい路面はもちろん、スタックからの脱出もこれなら可能となる。

狭い場所などではメインディスプレイ「マルチレテインモニター」にアンダーフロアビューを表示するのがおすすめだ。これは通常では確認できない車両の下側も映すことできるので、倒木や縁石、岩などを確認しつつ進むことができる。この効果は絶大だ。さらに世界初採用となる「バックアンダーフロアビュー」はリアタイヤ付近の状況を表示、林間走行、モーグル、岩石路などでの安全/安心な走行をサポートしてくれる。

画像: 路面や車両の状況を表示してくれるディスプレイ。クロールコントロールのボタン(DAC/CRAWL)はディスプレイの下に設けられている。

路面や車両の状況を表示してくれるディスプレイ。クロールコントロールのボタン(DAC/CRAWL)はディスプレイの下に設けられている。

ところで話は逸れるが、LXの成約者向けに今回試乗したオフロードコースでの走行体験プログラムを検討しているという。これほど過酷な場所に遭遇することは滅多にないが、レクサスのエクスペリエンスとして、LXの持つオフロード性能やポテンシャルをオーナーに体験してもらおうという企画だ。LXのオーナーにはぜひともこのコースを走ることをおすすめしたい。貴重な体験であるとともに、愛車のLXが持つ高いオフロード性能を認識することができるからである。

さて、新型LX。悪路走破性能は歴代LX同様に高いものだが、新型は安心感が増し、そしてそれに加えオフロードであっても上質な走行性能を提供してくれていることがよくわかった。これが「楽に走れる」ということなのだと改めて実感した。新型LXのオフロード走行時の快適さは一度試してみる価値アリだ。

次回はオンロード試乗の印象をお伝えする。(写真:永元秀和)

レクサス LX600オフロード(5人乗り) 主要諸元

●全長×全幅×全高:5100×1990×1885mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2540kg ※
●エンジン:V6 DOHCツインターボ
●排気量:3444cc
●最高出力:305kW(415ps)/5200rpm
●最大トルク:650Nm/2000-3600rpm
●トランスミッション:10速AT
●WLTCモード燃費:8.1km/L
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:265/65R18
●車両価格(税込):1290万円
※:7人乗り仕様は2580kg。

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