NEXCO中日本は、2022年4月16日(土)15時に、新東名高速道路(新東名)の伊勢原大山インターチェンジ(IC)〜新秦野ICを開通すると発表した。その開通に先がけて、メディア向けの現場見学会が開催されたので、新開通区間の概要について紹介しておこう。

2022年4月16日に開通する新東名の現場を見学してきました

新東名の未開通区間は徐々に少なくなっており、伊勢原大山IC〜新秦野ICの約12.8kmが2022年4月16日(土)15時に開通するというニュースは、以前に当Webモーターマガジンでも紹介した。

画像: 今回の新東名 開通区間と周辺の広域図。

今回の新東名 開通区間と周辺の広域図。

今回、開通を目前に控えた新しい道路の見学会がメディア向けに開催された。開通してしまったら、二度と歩いて見ることなどはできない場所だからこそ、こうした見学会があればなるべく参加している筆者だが、取材日はあいにくの雨! とはいえ、その概要を実際に見て、触れて、歩くことができた。

新東名は東名高速道路よりも山側に作られているゆえ、今回開通する約12.8kmの区間の6割(約7.5km)がトンネルとなる。それでも東名に比べてアップダウンは少なく、カーブの曲率も緩やかなので、設計速度は120km/hとされているが、今回の開通では暫定施工の4車線(片側2車線)で最高速度が100km/hに設定されている。完成時(6車線/片側3車線)の最高速度は120km/hになる予定だ。

画像: プロジェクションマッピングを用いてトンネルの上面に文字を投影する。

プロジェクションマッピングを用いてトンネルの上面に文字を投影する。

長いトンネルでは、トンネル内の「漫然運転防止対策」および「非常時行動の励行」を目的に、プロジェクションマッピングを用いてトンネルの上面に文字を投影する。これは、事故や渋滞などの情報も表示できるものだ。また、トンネルの側壁にはトラックなど目線の高い車両のドライバーのために、視線を前方へ誘導して事故防止を図る黄色いラインが描かれている。

この地区は交差する河川にホタルが棲息するなど自然豊かな地域のため、トンネル以外の区間では環境保全のために高速道路外に光を漏らしにくい低位置照明を設置されている。しかもこの照明、照射角を変更できるようになっているのだ。土地がら霧が発生することも多く、これによって照射光を散乱・視界を悪化させてしまうので、その場合は照明の角度を変えて外側の白線を集中的に照らして浮かび上がらせるようになっている。

画像: 新秦野IC料金所を入口側から見る。奥側が新東名の本線となる。

新秦野IC料金所を入口側から見る。奥側が新東名の本線となる。

新秦野ICの料金所では、ETC車線表示板や信号機を同一筺体に集約して全体をコンパクト化、柱や梁をスリム化、さらに景観に配慮した色を採用して圧迫感を軽減している。また、新秦野ICと国道246号間のアクセス道路は国土交通省により建設された。

東名の東京ICから新秦野ICまでは、約52km。今回の開通により、東京方面から秦野市や丹沢・大山方面へのアクセス性が向上し、観光活性化による観光客の増加や、物流効率化による生産性の向上、企業立地の促進、そして東名(伊勢原JCT〜大井松田IC)や国道246号並行区間の通行止め時の代替路として機能することでのリダンダンシー(冗長性)の確保などが期待されている。

画像: 今回開通する約12.8kmの区間は、6割(約7.5km)がトンネルとなる。

今回開通する約12.8kmの区間は、6割(約7.5km)がトンネルとなる。

なお、新東名の残り未開通区間、新秦野IC〜新御殿場ICの約26kmは2023年度の開通を予定していたが、トンネル工事などが難航しており、予定より遅れることは間違いなさそうだ。(文と写真:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)

This article is a sponsored article by
''.