フルモデルチェンジしたレクサスのフラッグシップSUV「LX」はどのような進化を遂げたのか。前回のオフロード試乗に続いて、今回は一般道と高速道路を走った印象をレポートしよう。

目指したのは、オフロード走破性とオンロードの快適性の両立

新型レクサス LXを公道で試乗することができた。ここでは一般道と高速道路での印象をレポートする。

試乗したのは標準の「LX600」と、LX初の4シーター仕様で22インチタイヤを装着した「LX600エグゼクティブ」、そして前後デフロック機能を装備するなどオフロード性能を高めた「LX600オフロード」の3つで、グレードラインナップのすべてである。

まずエクステリアデザインから見ていこう。特徴は迫力満点な新しいスピンドルグリルが採用されているところだ。このグリルは7組の立体形状のフローティングバーとフレームレスの新しいデザインとなっている。またヘッドライトはL字型のデイタイムランニングライト付クリアランスランプを採用する。

リアゲートに装着されるエンブレムは従来LEXUSの「L」を配置されてきたが、これにかわって新型では「LEXUS」の文字ロゴが配置される。これは2021年10月発表のNXから採用されたレクサスの新しいアイコンである。

画像: L字と横一文字を組み合わせたテールランプ形状を採用する。写真は4シーターで車両価格1800万円の超豪華仕様、LX600エグゼクティブ。

L字と横一文字を組み合わせたテールランプ形状を採用する。写真は4シーターで車両価格1800万円の超豪華仕様、LX600エグゼクティブ。

ボディサイズは全長5m超、全幅2m近い1990mmという大きさで、最小回転半径も6.0mと取り回しに気を遣うものの、低速域でのアクセルペダル操作に忠実な特性を持つことから扱い難いという印象は受けなかった。それは装備される電子デバイスや各種センサー、カメラなどが車両の周囲すべてを監視、駐車時や走行時などの運転状況に応じてそれぞれがドライバーを支援してくれることも貢献しているのだろう。とても頼もしい。

ボディサイズは従来より拡大されたが、ホイールベースは初代から変わらず2850mmを維持、さらに伝統のラダーフレームを継承しつつも刷新されたGA-Fプラットフォームの採用、ボンネットやルーフ、ドアパネルのアルミニウム化、パワートレーンのダウンサイジング(エンジンの気筒数を8→6に、排気量を5.7L→3.5Lに)などにより車両重量は従来から約200kgの軽量化を実現している。

またエンジンの搭載位置も車両後方に70mm/下方に28mm移動し、低重心化と前後重量配分の改善を果たしている。これらの効果により、ペダルの踏み込み量に忠実な過不足ない走行フィールを感じられるのである。

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