11年で4回も「日本でいちばん売れたクルマ」になる
2022年も4月を迎え、前年度の新車販売成績が出そろった。2021年度(2021年4月~2022年3月)に、日本でいちばん売れたクルマは、ホンダのN-BOXだった。販売台数は19万1534台。軽自動車としては2015年度から7年連続の9回目、登録車全体としては1年ぶり4回目の栄冠となる。
2011年12月のデビューから11年で、つねに軽自動車のベストセラーの座をほぼ守り続け(1位でなかったのは、デビュー年度と2014年<2位>の2回だけ)、登録車を併せても11年で4回も1位になるというのは、まさに偉業と呼ぶ成績。現代の「国民車」と呼んでも言い過ぎではないだろう。
そんなN-BOX、最新モデルの走りっぷりはどんなものなのか、試乗してみることにした。今回の試乗車は、2021年12月に一部改良が施されたモデルで、ミドルグレードの「EX」。NA(自然吸気)エンジンにトランスミッションはCVTを組み合わせたFFモデルだ。車両本体価格は税込で168万8600円となる。
今回の一部改良によって、パーキングブレーキがオートブレーキホールド付き電子制御式となった。また、安全運転支援システムのホンダセンシングでACC(アダプティブ クルーズコントロール)は渋滞追従機能付きへと進化している。つまり、ACC作動中に先行車が停まれば、それに合わせて自車も自動で停まるようになった。最先端の運転支援システムが、軽自動車にも標準装備になったのだ。
このN-BOXを、街中から、高速道路を使った遠出、そしてワインディングロードまで、数日間にわたって走らせてみた。そこで、つくづく感心したのが、至れり尽くせりの機能や装備の充実度だ。
ホンダセンシングは、自動ブレーキだけでなく車線からはみ出ないようにハンドルのアシストも行う。LEDヘッドライトはハイ/ローを自動で切り替える。高速道路の疲労を大きく軽減させるACCも渋滞時に先行車にあわせて停まるように進化した。10年前であれば、欧州プレミアムカーだけのものだったような装備が、今や日本で一番に売れるクルマに標準装備となっているのだ。10年ひと昔と言うが、文字どおり隔世の感がある。