加速力＆高速走行性能両立の秘密は、2基のモーターと2速のトランスミッション
「e-tron」の名で電動車両を展開するアウディには、SUVタイプの「e-tron」も存在するが、「e-tron GT」は別物で、内容的には同門のポルシェ タイカンとの共通性が高い。
最大のポイントは、通常のBEVの倍となる800Vテクノロジーだ。これにより充電時間の短縮やハーネスの軽量化などのメリットを得ている。
アウディといえばクワトロだが、前後に2基のモーターを配する電動クワトロの採用とともに、リアには2速のトランスミッションを組み合わせたのも特筆できる。これにより俊敏な発進加速と効率的な高速走行、250km／hの高い最高速を両立。ローンチコントロール時は1速発進となり、瞬発力がより高まる。0-100km／h加速タイムは3.3秒を誇り、走り方に呼応したe-tronスポーツサウンドによる演出もある。
モーターは誘導モーターではなく、シンプルで軽量な同期モーターを採用しているのも特徴。93.4kWhの容量を持つ駆動用バッテリーは、充電と走行の両面でその性能を最大限に引き出すべく、4つの冷却回路やヒートポンプにより綿密に温度管理されており、最大150kWでの急速充電が可能。WLTPモードの航続距離は534kmに達する。
スポーティなワイド＆ローのスタイリングにクワトロブリスターフェンダーがさらにダイナミックな印象を与える。
RS e-tron GTの足まわりにはエアサスペンションが標準装備され、さらに4輪操舵と可変レシオステアリングを組み合わせると、極めてシャープな回頭性と正確で安定した操縦性を味わうことができる。
ブレーキは最大0.3Gまでの減速には回生のみでカバーする。ブレーキダストを9割も低減し錆を防ぐタングステンカーバイトコーティングや、より高性能なセラミックブレーキを選ぶこともできる。
無数のLEDを個別に高度な配光制御を実現した先進的なマトリクスLEDヘッドライトもアウディならでは。
インテリアはシートやフロアマットにはリサイクル素材を使い、レザーを使わない、「レザーフリーパッケージ」の設定もある。
アウディ RS eトロン GT 主要諸元
●全長×全幅×全高：4990×1965×1395mm
●ホイールベース：2900mm
●車両重量：2320kg
●最高出力：475kW
●最大トルク：830Nm
●バッテリー総電力量：93.4kWh
●WLTCモード航続距離：534km
●駆動方式：4WD
●タイヤサイズ：前245／45R20、後285／40R20
●車両価格（税込）：1799万円
