日本にはまだ2021年春にデビューしたEQSすらも上陸していないというのに、メルセデス・ベンツは矢継ぎ早に次のBEVを投入してきた。その車名は「EQE」。想像できるとおり、Eクラスに相当する車格の新型BEVにドイツ・フランクフルトで試乗した。(Motor Magazine 2022年6月号より)

圧倒的に静かで滑らか、そしてしなやかなフットワーク

今回、国際試乗会が開催されたフランクフルトでは、主にEQE350+に試乗した。最高出力215kW(292ps)、最大トルク565Nmを発生する電気モーターをリアアクスルに搭載する、後輪駆動のモデルである。

その走りは、やはり圧倒的な静けさ、滑らかさが印象的だ。これはBEVだからと簡単に実現できているわけではない。電気駆動システムのeATSは、細かな振動を遮断するためにサブフレームにマウントされ、さらにそのサブフレームがボディにラバーマウントされるという念の入れよう。また、主に高周波のノイズを遮断するためにユニットの全方位を樹脂でカバーしている。プレミアムBEVの中でも「群を抜く」と言っていい走りの上質感に理由があるのだ。

フットワークも、とてもしなやか。車重を意識させられないとは言わないが、前後重量配分の良さ、そして後輪操舵も効いていて、ワインディングロードでも気持ち良く走ることができる。

市街地での取り回しも良好。操舵中の後輪を見ると相当な角度が付いているが、運転している限りは違和感はない。むしろ左ハンドルであれば左前方の視界がAピラーでやや蹴られがちなことの方が気になるくらいと言える。

走りに関しては、メルセデス・ベンツとして文句のない仕上がりというか、内燃エンジン車を超える部分も多々ある。90kWhの駆動用バッテリーがもたらす最長654kmという航続距離も文句の出る余地はないだろう。ADASも当然、最先端。そしてデザインやユーティリティは好みや使い方次第という話になる。

しかしながら、それこそEクラスがビジネスセダンと捉えられているドイツと違って、どちらかと言えば保守的な個人ユーザーに支えられている日本では、それと容易に置き換えられるものとは言えないだろう。そのあたりの戦略も含めて、EQEが気になるモデルであることは間違いない。(文:島下泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本)

画像: 新しい時代の到来を感じさせるモダンなインテリアデザイン。助手席前方の造形もシンプルで斬新だ。

新しい時代の到来を感じさせるモダンなインテリアデザイン。助手席前方の造形もシンプルで斬新だ。

メルセデスEQ EQE 主要諸元

●全長×全幅×全高:4946×1961×1512mm
●ホイールベース:3120mm
●車両重量:2355kg(EU準拠)
●モーター:永久励起同期電動機
●モーター最高出力:215kW(292ps)
●モーター最大トルク:565Nm
●バッテリー総電力量:186kWh
●WLTPモード航続距離:567-654km
●駆動方式:RWD

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